『二十五、二十一』“揺れてたい”イジンに待ち受けていた試練 失う覚悟で挑むヒドとユリム

 ユリムが時折見せる、高校生とは思えない大人の顔つき。一家の大黒柱として愛する家族をずっと支えてきたからだろう。家族を守るためなら手段をいとわない。今回も降りかかる不幸から家族を救うために韓国を離れる決断をしたのは、ユリムにとって当たり前の道を選んだまで。でも今までと違うのは、家族以外の愛すべき仲間たちがいること。ユリムの選択を「カッコいい」と送り出してくれる彼氏のジウン、「あなたならできる」と応援してくれるチ・スンワン(イ・ジュミョン)。「どこに行っても最高の選手ね」と認めてくれるヤン・チャンミ(キム・ヘウン)コーチも。

 そして、最高の親友であり最強のライバルであるヒドの存在。我慢せずに戦ってもいいことを教えてくれたのも、本音を吐き出して涙を流せるのも、ライダー37とインジョルミとして出会った頃から変わらない。手首の同じ場所に傷跡ができたヒドとユリムが腕をクロスして作る“ファイティングポーズ”。これからも2人の軌跡に何度も重ねられていくだろう。

 その頃、自分の報道で大切な人たちを傷つけたイジンは、一番恐れていた時を迎えてしまった。あの夏真っ盛りだった日、ヒドがイジンの手を取って駆け抜けた緑のトンネルの先は、本当に幸せが待っていると思えるほど眩しかった。今、同じトンネルにいるイジンは、待ち受ける現実という出口に前に進めずにいる。そこに現れたヒドは、また何度でもイジンを暗闇から連れ出すだろう。それがヒドの愛だから。

 2009年。時が経ってもどこにいても、変わらず応援し合うヒドとイジン。そこには、虹でもない説明などいらない関係の2人がそのままいた。イジンがヒドとユリムに送った言葉のように、“結果は輝かしく、過程は美しかった”5人の未来を最終話に託したい。

■配信情報
『二十五、二十一』
Netflixにて独占配信中
原作・制作:チョン・ジヒョン、クォン・ドウン
出演:キム・テリ、ナム・ジュヒョク、キム・ジヨン、チェ・ヒョンウク、イ・ジュミョン
写真はtvN公式サイトより

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