深川麻衣の演技はなぜ人々を魅了するのか? 『特捜9』でも期待される“自然体”な魅力

 2021年9月公開の映画『僕と彼女とラリーと』で深川は、シングルマザーのヒロイン・上地美帆役に抜擢された。本作は主演の森崎ウィン演じる北村大河が、家族や仲間との絆を深め合いながらラリーと出会い、成長していくヒューマンドラマ。これまでも母親役は演じてきた深川もシングルマザーという役柄は難しかったはずだが、たった一人の子どもに対して向ける母親としてぬくもりのある姿が印象的だ。同時にラリーへと打ち込む活発で力強い女性像も表現していて、本当に奥の深い俳優だと感じる。母親としての側面を持ちながらも大河とともにラリーという夢を追いかける美帆からは、自分が置かれた立場に左右されることなく、夢に向かって進み続けてもいいと勇気をもらえるのだ。そして、ラリーと広大な自然風景で見せる深川の透明感のある佇まいが作品によくハマっていた。

 そうして着々と俳優としての実力をつけてきた深川は、この春人気刑事ドラマシリーズ『特捜9』にレギュラー出演が決まった。同作で深川が演じる高尾由真は、正義感の強いしっかり者の新人刑事という役柄。警察官として周囲からも高い評価を受けるも、現状から抜け出すことができず、挑戦することを躊躇してしまうという慎重な一面もあるキャラクターとのことだ。深川は出演発表時のコメントで「私も皆さんとのお芝居の中で、その場で生まれるものを大事にしながら、由真というキャラクターを作っていければと思っています」と語っていた。長い歴史のあるシリーズ作品なだけあって特有の空気感もあっただろうが、これまで見事なまでに作品の世界観に溶け込んできた深川であれば、難なくフィットしている姿が容易に想像できる。新人刑事という役柄は多少のあどけなさを残している深川にも合っているだろうし、見事な立ち回りで演じてくれることだろう。

 深川は4月8日公開の映画『今はちょっと、ついてないだけ』への出演も控えている。年齢を重ねる度に俳優として円熟味を増し、演技に深みが生まれた深川の今後が非常に楽しみだ。“どんな役柄にも絶妙なさじ加減で演じられる”深川であれば、突拍子もない役に対しても自然なアプローチで演じてくれるだろうし、個人的には今後コミカルな演技も見てみたいものである。

■放送情報
『特捜9 season5』
テレビ朝日系にて、4月6日(水)スタート 毎週水曜21:00~放送
出演:井ノ原快彦、羽田美智子、津田寛治、山田裕貴、向井康二(Snow Man)、深川麻衣ほか
監督:細川光信
脚本:徳永富彦
ゼネラルプロデューサー:大川武宏
プロデューサー:神田エミイ亜希子、丸山真哉、森田大児、土井健生
制作:テレビ朝日/東映
(c)テレビ朝日

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