『進撃の巨人』コニー役・下野紘の痛ましい慟哭 世界滅亡までのタイムリミットはあと僅か

「誰が人なんか殺したいと思うんだ」

 かつてベルトルト・フーバーが放った言葉が頭をよぎった。誰だって殺しなんかしたくない。だが、世界を救うためにはかつての仲間を殺さなければない。TVアニメ『進撃の巨人 The Final Season Part 2』第85話「裏切り者」では、囚われたアズマビトを解放するため、かつての仲間がいるイェーガー派との対峙が描かれた。

 前回、各々が犯してきた罪を一度清算し、エレン・イェーガーを止めるという共同の目的のため、手を取り合うことを選んだアルミン・アルレルトたち。しかし、港はフロック・フォルスター率いるイェーガー派に占拠されていた。ハンジ・ゾエはイェーガー派の目的を船や技術者を持つアズマビトを抑えることにあると推測する。

 飛行艇を確保するためにイェーガー派を皆殺しにする案を持ちかけたアニ・レオンハートだったが、コニー・スプリンガーやミカサ・アッカーマンはアズマビトすらも殺しかける危険があるその作戦には賛成できない。オニャンコポンによると、アズマビトの整備士によって飛行艇の整備をしなければ、安全な運用は不可能とのこと。そのためにはアズマビトの命を守りつつ、整備の時間を確保しなければならない。

 「俺たちは人を助けるためにここにいる」というコニーの言い分は最もだ。人を助けるために人を殺すなんてことがあってはたまったものではない。しかし、人類は長い歴史のなかで、そんな負の連鎖を永遠と続けてきた。自らの正義のために、それに相反する正義を駆逐していかなければ前に進むことはできない。

 そんな議論をよそ目に、ハンジからすでにマーレ帝国内に巨人の軍勢が押し寄せていることを告げられる。もう悩んでいる暇は彼らにはないのだ。時間がないことに焦るテオ・マガトはイェレナを拷問して、エレンの居場所を聞こうとするが、イェレナは答えようとしない。ハンジとオニャンコポンに制止され、理性を取り戻したマガトは、昨夜の森の中での一連の出来事をアルミンらに詫び、エレンを止めるために愚かな行いをせざるを得ない自分たちの行動に目をつぶってくれと謝罪する。しかし、「手も汚さずに正しくあろうとするなんて」とマガトの要求を断るアルミン。彼はすでに決心がついていたようだ。

 フロックにすでに車力の巨人と鎧の巨人が海を渡って逃げたという嘘の情報を伝えたうえ、アズマビトの整備士を連れてくるよう促すアルミンとコニー。そんな2人の前に立ち塞がったのは、かつての同期サムエルとダズだった。彼らを欺きつつ、アルミンの必死の説得によって起爆装置を外させることに成功。アルミンとコニー2人の表情には仲間への裏切りに対する苦悩のようなものが見られて切ない。

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