【ネタバレあり】『真犯人フラグ』“正攻法”な結末に 西島秀俊ら出演者の迫真の演技に拍手

 とはいえ肝心の河村の動機の弱さが、この半年間の壮大な物語に見合わないという指摘は、放送中からSNS上でも頻繁に見受けられた。しかしこの嫉妬心を主とした衝動的な殺人から(もちろんそこに光莉(原菜乃華)の家出と篤斗(小林優仁)の誘拐が偶発的に起こり、かつ河村が週刊誌の編集長であるという立場がありきとはいえ)、メディア操作によって事がどんどん大きくなってしまうことの皮肉を効かせるためには、それだけ動機が弱くある必要があったと考えることもできる。

 いずれにせよこの最終回のエピソードには、姉を死に追いやった林(深水元基)への復讐心を燃やしながらも“あと一歩”が踏み出せなかった瑞穂と、愛する妻を殺した犯人が目の前にいるにもかかわらず復讐を選ばない凌介の姿が対比的に描写されるなど、西島秀俊をはじめとしたメインキャストの迫真の演技によって見応えのあるものとなる。回想というかたちでありながらもようやく見せ場を得た宮沢りえの演技も然り、やはり半年間もドラマを持続させるためには、キャストの力は何よりも大きいのだろう。

■配信情報
『真犯人フラグ 真相編』
Huluにて配信中
企画・原案:秋元康
出演:西島秀俊、佐野勇斗、芳根京子、 桜井ユキ、生駒里奈、柄本時生、柿澤勇人、長田成哉、坂東龍汰、吉田健悟、小林きな子、森田甘路、竹森千人、BOB、青木瞭、中西美帆、渥美友里恵、町田愛、南彩加、遼太郎、原菜乃華、堀野内智、小林優仁、渋川清彦、深水元基、迫田孝也、丘みつ子、浜田晃、小松利昌、戸田昌宏、正名僕蔵、平田敦子、田中哲司、宮沢りえ
脚本:高野水登
音楽:林ゆうき、橘麻美
演出:佐久間紀佳、中島悟、小室直子、長沼誠
チーフプロデューサー:加藤正俊
プロデューサー:鈴間広枝、松山雅則
制作協力:トータルメディアコミュニケーション
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/shinhannin-flag/
公式Twitter:@shinfla_ntv
公式Instagram:@shinhanninflag_ntv

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