浮気相手か、元カレか? 『気象庁の人々』第2のヒロイン・ユラが見せる心の揺らぎ

 気象庁で働く人々が織り成すラブコメディ『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』(以下、『気象庁の人々』)が、Netflixにて連日ランキング上位を占めている。主人公のハギョン(パク・ミニョン)の婚約者ギジュン(ユン・バク)と浮気していた文民日報の記者であるユジン(ユラ)。彼女はシウ(ソン・ガン)と付き合っていたが、浮気をきっかけに別れ、ギジュンと結婚することを決めた。だが、ユジンは第6話終盤、婚姻届を出すことを躊躇い、ギジュンに「婚姻届を出すのはまた今度にしよう」と言った。ユジンはなぜ、このような発言をしたのだろう。

※本稿は『気象庁の人々』第5話、第6話の内容を含みます。

 ユジンの元カレのシウは、天気のことをいつも考えているためチャットでも空の写真を送ってしまうような子どもらしさがあり、迎えに来てくれた車も3年ローンの中古車で、若さゆえの頼りなさが感じられる。シウが心を躍らせながら、キャンプに行くことを提案した際にもユジンは微妙な表情を浮かべていた。

 年上であるギジュンは落ち着いていて、経済力もあり、主席報道官と仕事もできる。そのようなギジュンの姿に惹かれてしまうのは理解できるが、ユジンが好きになった彼は、“ハギョンありき”のギジュンだったように思う。新居や家電製品の費用をほとんど負担したり、社内報のコラム作成の手助けをしたり、ハギョンはいつも彼を支えていた。実際のギジュンは厚かましく、自分の浮気が原因でハギョンと別れたにもかかわらず、新居の代金の半分をもらって自分たちの引っ越し資金にしようとしたり、コラムの原稿が上手く書けないとハギョンに相談しようとしたりするズルさもある。

 ユジンがギジュンに叱られてゴミ捨てに行った際、思い出したのは、「汚い物を触らせたくない」と言って、ゴミ捨てをしてくれたシウのこと。ユジンは同僚にシウのことを紹介するように頼まれても「紹介できるほど親しい仲じゃない」と返す。また、「イ・シウ君、彼女ができたって」という言葉に反応したりと、シウを意識してしまっているようだ。

 ギジュンも悪い人ではない。しかし、新婚対象の住宅補助が出るからと言って、婚姻届を急いで出すのは、結婚を軽く見ているように思える。仕事が忙しいからと2人の結婚生活に関わることを、ユジン1人で役所に行かせる彼とは将来を考えられないし、気持ちが離れていってしまったのではないだろうか。

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