マ・ドンソクはなぜ“マブリー”なのか LDHとのエージェント契約で期待高まる日本での活躍

マ・ドンソクの愛称「マブリー」

映画『悪人伝』予告編

 そんなマ・ドンソクは、「マブリー」という愛称で親しまれているそうだ。これは、マ・ドンソクとラブリーを掛け合わせた造語で、かわいいマ・ドンソクという意味だ。

 この愛称を聞いて、筆者は心の中でほくそ笑んだと同時に、少し悔しい気持ちになった。彼の可愛さにメロメロなのは筆者だけではないのだ。

 マ・ドンソクの可愛さを解析しよう。マ・ドンソクはどこか新生児的可愛さがある。それは、つぶらな瞳だったり、顔の丸さだったり、笑顔を作った時の皺の寄せ方だったりする。要素は多岐にわたるが、とにかく、邪気のなさが新生児に似ていて、どうしても可愛く感じてしまうのだ。

 この愛らしさに加え、『ブラザー』では、着膨れしてクマのような丸みを帯びたフォルムとなり、さらに床を転がる。母性をくすぐられないはずがない。

 マ・ドンソクの魅力を語る上で忘れてはならないのが、片方の口角だけ上げて笑うニヤリ顔と見事な上腕二頭筋だ。

 まず、ニヤリ顔だが、やってみればわかる通り、かなり難しい。筆者は何度も挑戦しているが、顔全体が引き攣って見るに堪えない醜い表情になってしまい、感情を含むことなど到底無理に感じられる。

 マ・ドンソクの場合、このニヤリ顔が多くを語る。セリフよりも、はるかに多くの意味や背景を語ってくれるのだ。特に印象的だったのが『悪人伝』のもので、たった数秒のニヤリ顔ひとつで、人物の人となりと変化した人間関係と心情を表現してみせた。この表情ひとつとっても、彼が卓越した演技力を持っていると言えるだろう。

 上腕二頭筋を強調させるのは、マ・ドンソクのお気に入りのポーズだ。彼のInstagramは同様の写真で埋め尽くされているし、どんな映画でも必ずと言っていいほどマ・ドンソクの上腕二頭筋はカメラがフォーカスする。強烈なパンチを繰り出す時は腕をなめショットで撮るし、そうでなくてもはち切れんばかりのシャツをフォーカスして腕の太さを印象付けるのだ。

 『ランペイジ 巨獣大乱闘』のプロモーションでドウェイン・ジョンソンがマ・ドンソクの腕を褒め称え、腕相撲の挑戦状を叩きつけたのはファンの間では知られた話だし、『エターナルズ』のプロモーションでも共演者らから上腕二頭筋をネタにされている。

 マ・ドンソク出演作品を観る時に、このニヤリ顔と上腕二頭筋を強調するカメラワークを意識していると面白い。特に腕は、サービスショットがいっぱいだ。

 さて、こんなマ・ドンソクがLDH JAPANとエージェント契約を締結したわけだが、はたしてどんな活躍をしようというのだろうか。LDH JAPANは日韓エンターテイメント共同事業会社のHIANとともに、日本での活動を全面サポートするそうだが、その活動とは俳優としてなのか、はたまたプロデューサーとしてなのかは分からない。

 ハリウッドでは、シルヴェスター・スタローンと共に『悪人伝』をリメイクすることが決定している。ならば、この日本版を作ってみてはどうだろうか。日本はヤクザ映画も刑事ドラマも人気が高い。相性と受け入れられる土壌は整っているのだから。

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