森田望智の真価が見える 『さがす』と『妻、小学生になる。』での真逆のアプローチ

 2019年に世界同時配信されたNetflixオリジナルシリーズ『全裸監督』でヒロインを演じたことにより、その名を広く知らしめた森田望智。同作への出演以降、彼女の勢いは止まらない。現在はテレビドラマ『妻、小学生になる。』(TBS系)が放送中であり、映画『さがす』が公開中だ。両作での森田の演技に触れることで、彼女の真価が見えてくるはずである。


 『妻、小学生になる。』は、とある一家の妻であり母である一人の女性・新島貴恵(石田ゆり子)が交通事故で他界し、その10年後に小学生の白石万理華(毎田暖乃)に転生して還ってくるという奇想天外な家族ドラマ。独特なユーモアが織り交ぜられたハートウォーミングな作品だ。このドラマで森田が演じているのは、守屋好美というキャラクター。妻を亡くしてからというもの暗闇の中を生きてきた主人公・新島圭介(堤真一)の職場の年下上司であり、「お弁当友達」である。


 本作における森田の立ち位置は、“準ヒロイン”、あるいは“第2のヒロイン”と呼べるものではないかと思う。石田ゆり子と毎田暖乃が“二人一役”で演じる貴恵が正ヒロインなのに対し、森田が演じる守屋は圭介にとって2番目に身近な女性であり(娘を除いて)、彼女の言動からは、圭介に好意を抱きつつあることが分かる。本作の主軸である「家族の物語」とは別に、サイドストーリーを展開させているわけだ。思いがけぬ妻の帰還とその交流の日々により、分かりやすく一喜一憂する圭介。一見、守屋の方が積極的に圭介に近づいているように思えるが、彼女の言動は一喜一憂している圭介へのリアクションである。ここに、演じる森田の技術と柔軟性が見て取れるのだ。主演の堤が発するものを的確にキャッチし、パワーとスピードとテンポをコントロールしたリアクションに出る。二人の軽妙なやり取りは、愛くるしい「家族の物語」とはまた異なるアンサンブルを生み出し、森田の演技が圭介というキャラクターの魅力を際立たせている。物語の今後の展開によっては、圭介との距離感や、本作における彼女の立ち位置は変わってくることだろう。

『さがす』(c)2022『さがす』製作委員会

 一方、映画『さがす』での森田は、『妻、小学生になる。』での演技とは真逆のアプローチに徹しているように思う。もちろん、この2作はまったくタイプの異なる作品であり、森田が演じるキャラクターも守屋役とはかけ離れているため、当然といえば当然のことかもしれない。こちらの作品で彼女が演じているのは、ムクドリという自殺願望を持つ女性だ。

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