『逃亡医F』成田凌の好演光る第4話は重要回に 見え始めた怪しい人物の動き
まるっきり非現実的な方向に振り切るか、それともーーと、予告からは展開が読めなかった『逃亡医F』(日本テレビ系)第4話。しかし、藤木圭介(成田凌)という人物像がよりはっきりとし、妙子(桜庭ななみ)を取り巻く怪しい人物らの動きがいよいよ見え始めた、想定外に重要な回であった。
拓郎(松岡昌宏)の不意をつき、逃走に成功した藤木。拓郎は「すずらん珈琲」を訪れ、美香子(森七菜)と接触、「藤木の無実を信じている」と嘘をつき、行動を共にすることとなる。
逃走を続けたい藤木だが、いたるところに警察の姿が。慌ててトラックの荷台に身を隠すと、そこにいたのはたくさんの犬たち。ブリーダーだという佐野(森永悠希)と間宮(渡辺いっけい)に見つかった藤木は、「逆らえば犬を殺す」と脅し、東京に向かうよう命令する。終始、犬に「ごめんね」と声をかけ、一度聞いただけの名前で呼ぶ。佐野と間宮には「このやろう、馬鹿野郎」としか言えない。どうしたって人の良さが出てしまうぎこちない悪者を、成田はコミカルに演じていた。
途中、検問にひっかかるものの、健太(白髭善)を救った礼として父・松田(林泰文)から借りた保険証と、松田に頼んで偽造したSNSにより、藤木はピンチを切り抜ける。そのとき、母犬・ジェシカに腹痛の兆候が。藤木は、診察を申し出る。
拓郎は都波(酒向芳)を捕え、詰問していた。都波によれば、妙子は「バイオネオ社」の佐々木(安田顕)と組み、金儲けに走ったのだという。「拓にいさんは、あなたの知ってる妙子さんに合わせて物事を考えている」。おそらく自身にとって都合の良い「真実」を追い求め、さまざまな人を巻き込んでゆく拓郎に美香子が言った言葉。拓郎の気持ちは分かる。けれど美香子の言うように、たとえ兄妹でも言えないことや知らないことはあり、他人だからこそ、明かせる本音もあるものだ。妙子の真実が、藤木や拓郎を傷付けるものでないと良いのだがーー。