村上淳「俳優はみんなM」 “ドS”な廣木隆一監督との撮影舞台裏エピソードも

 映画『夕方のおともだち』の初日舞台挨拶が2月4日、都内にて行われた。イベントにはヨシオ役の村上淳をはじめ、ミホ役の菜葉菜、好井まさお、鮎川桃果、Azumi(Wyolica)、監督の廣木隆一、原作者の山本直樹が登壇。作品の魅力を熱く語った。

 本作は山本直樹の同名コミックを原作に、寝たきりの母親と暮らしながら市の水道局に勤める、一見真面目だが実は筋金入りの“ドM”な男・ヨシダヨシオを描いた物語。『余命1ヶ月の花嫁』(2009年)、『100回泣くこと』(2013年)の廣木が監督を務めた。

村上淳

 感染症対策でメンバーを入れ替え2部制となったトークの第1部では、村上、菜葉菜、廣木、山本が登壇。粋のあったトークで会場を盛り上げた。村上はMCから“ドM”を演じるために役作りしたことを聞かれ「撮影に入ってムチで叩かれたら、何か目覚められるんじゃないか、と淡い期待がありましたが、ただ痛いだけでした。残念ながらノーマルなつまらない人間です」とジョークを交え解答。トーク序盤から会場には笑いが溢れた。また、今回ミホ役を務めた菜葉菜は、廣木監督作品でのヒロインが長年の夢だったという。「廣木監督の作品はすごく女優さんが魅力的。その中に生きている役の女性にも共感できるので、いつか私も廣木組にヒロインとして出たいというのが目標の一つでした。原作の『夕方のおともだち』は山本直樹さん、監督は廣木監督と、エロティシズムのマエストロと呼ばれる二代巨匠の作る世界でヒロインができることは女優として嬉しいことです」と顔をほころばせる。そこで村上から「人生をかけてエロスを極めるんでしょ?」と突っ込まれると、菜葉菜は「あまり人前で言わないでください」と笑顔で一蹴。「キャンペーン中はあんなに言ってたのに……!」と村上もまた笑顔に。和気あいあいとしたムードの中でトークは進行した。

村上淳と菜葉菜

 さらに今回『夕方のおともだち』のタイトルは、キャロル・キングの「You’ve got a friend」をタイトルだけパロディしたダディ竹千代&東京おとぼけキャッツの「夕方フレンド」(ユーガッタフレンド)から拝借したことを原作の山本が明かす。廣木は加えて「今回は大橋トリオのいい曲が流れてきて、ばっちりはまっていますよ」と音楽やタイトルに関しての裏話を語ってくれた。

山本直樹

 第2部では、引き続き廣木が壇上に残り、好井、鮎川、Azumiが登壇。作品に向けて役作りはあったのかと聞かれると、好井は「芸人の後輩にソフトSMクラブで働いてる人がいて、話を聞きました。ビシッとしている人ほど、ハードらしいですよ」とSMの世界を語りつつ、芸人らしい軽快なトークで会場を盛り上げた。加えて、伝説の女王を演じたAzumiは「実際に女王様にレクチャーを受けたり、ドMさんで練習させていただきました。ちょっと本気でムチを使ってみたら、女王様から『Azumiさん、どこのお店にいたんですか?』と聞かれました」と“女王の素質”があったことを茶目っ気たっぷりに話す。Azumiはそんなまさかの特技について「手首のスナップがね」と笑顔を見せた。

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