アニメ『進撃の巨人』エレンの真の目的とは? 熾烈な争いの裏で緻密に描かれたガビの成長

 ついに始まってしまったマーレによる奇襲攻撃。戦場となったシガンシナ区では始祖の巨人エレン・イェーガーと、鎧の巨人ライナー・ブラウンによる根の深い報復の対立が始まっていた。TVアニメ『進撃の巨人 The Final Season Part 2』(NHK総合)の第77話では、巨人たちの戦いの裏でガビ・ブラウンの成長が描かれた。

 反マーレ派義勇兵・オニャンコポンの思惑を聞いたミカサ・アッカーマンら調査兵団の面々。エレンを助けにいくべきなのか、助けるべきではないのか、ミカサたちは決断に迫られていた。アルミン・アルレルトのエレンを助けたいのかという問いかけに対し、「助けたい」と答えるミカサ。だが、これはアッカーマンという血筋がもたらすものであり、自分の意思の決断ではないというのがミカサの心の内にはあった。しかし、アルミンはそれをエレンの考えた「嘘」だとし、エレンの真意は地ならしによってパラディ島を外部から守ることにあると、みんなを納得させることに成功しイェーガー派として立ち回ることを決意する。

 牢の外では依然としてエレンvsライナーの戦闘が続いていた。マーレ軍の奇襲にはもはやエレンひとりの力では太刀打ちできず防戦一方。ライナーとの因縁の対決もいよいよ最終決着かと思われたその時、エレンの咆哮とともに、獣の巨人・ジーク・イェーガーが姿を現す。投擲戦術によって次々と敵を薙ぎ払っていくジーク。彼が姿を現したのは、始祖の巨人、つまりはエレンとの接触を図ることが目的だった。

 時を同じくしてミカサらは囚われていた残りの仲間を解放し、ドット・ピクシスを中心にマーレ軍と戦うことを決める。印象的だったのは、戦闘に向かう準備をしていたミカサが、赤いマフラーを身に付けずに置いていったシーン。ミカサにとってこのマフラーはエレンとのしがらみの象徴であり、それを置いてエレンを助けに行くというのは自らの意思による決断であることを示唆するものだ。

 エレンを助けに外へ出たミカサらを待っていたのはイェレナ。ジャン・キルシュタインがイェレナに対しジークを監視していたリヴァイ・アッカーマンとハンジ・ゾエの安否を問いただすが、ジークがここにいるということは2人ともジークに破れたということだ。ジークとエレンに加勢しようと意気込むアルミンの背後で、不気味な表情を見せるイェレナの描写はアニメーションでも十分に迫力のあるものだった。

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