上白石萌音、福原遥ら“寅年俳優”に注目 2022年は朝ドラヒロインがさらなる飛躍?

 2022年の干支は“寅年”。コラムを執筆するにあたり、年男・年女の俳優陣を調べてみたが、かなり豪華な面々が揃っている。その中から本稿では、昨年新たな魅力を開花させた若手をピックアップ。それぞれの魅力を紐解いていきたい。

上白石萌音

NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(写真提供=NHK)

 まずは、現在放送中の朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)で、初代ヒロインを好演した上白石萌音。彼女が演じた安子は、数々の困難が立ち向かってくる苦しい役柄だった。素朴な少女が恋を知り、愛する人を失う……。なかでも印象に残っているのは、娘のるいに、「I hate you」と拒絶された時の表情だ。一瞬にして、光が消えていく瞳。安子の絶望が伝わってきて、観ているこちらまで胸が痛くなった。

 『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)や、『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系)などラブコメでのキュート演技も映えるが、本作で見せたようなシリアスな表現でも輝きを放つのが、彼女の武器である。さらに、昨年大みそかに放送された『第72回NHK紅白歌合戦』では、歌手として初出場。上白石の多彩ぶりは、止まるところを知らない。今年も、周囲を幸せにするひまわりのような笑みを弾けさせてほしい。

福原遥

 そして、同じく“寅年”の福原遥は、2022年後期に放送される朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK総合)で、ヒロインに抜擢。今年、飛躍が期待される女優のひとりだ。福原は、2009年から2013年まで放送されたNHKの子ども向け料理番組『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん』に出演。“まいんちゃん”として知られる彼女は、大人の女優へのステップを着実に踏んできた。

 たとえば、昨年放送のドラマ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ系)では、「女の人は信用できない。私の人生に、女はいらない」と言い放つ恋愛依存症の女の子・サリーを好演。ともすれば、女の敵にもなりかねない役柄だったが、福原が持つ天性のキュートさが影響して、女性の共感を誘うキャラクターへと成長した。彼女は、あざとさとナチュラルさのバランスに優れた女優である。ちなみに、『舞いあがれ!』のヒロインの名は、舞。“まいんちゃん”から、“まいちゃん”へ。福原の躍進は、まだ始まったばかりだ。

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