画家ヘレン・シャルフベック生誕160年記念 『魂のまなざし』2022年夏公開決定

 フィンランドの画家ヘレン・シャルフベックの生誕160年を記念し、映画『魂のまなざし』 が2022年夏に公開されるがこと決定した。

 モダニズムを代表する画家のひとりとして、近年世界的に注目を浴びるシャルフベック。本作は、彼女の画業と人生を決定づけた1915年から1923年の時代を描く。

 1915年、シャルフベックは、高齢の母親とともに田舎で暮らす、いわば忘れられた画家だった。それでもシャルフベックは湧き出してくる情熱のためだけに絵を描き続けていた。すべてが変わったのは、ある画商が訪ねてきて彼女が描き溜めていた159点のすばらしい作品を発見、大きな個展開催に向けて動き出したから。しかし、シャルフベックの人生で最も重要な転機は、画商が紹介した15歳年下の青年エイナル・ロイターとの出会いによってもたらされる。

 シャルフベックは、ロシア帝国の支配下にあったフィンランドに生まれ、祖国の独立と内戦を経て封建的な世界が崩壊していく過程と歩調を合わせるように、画家として、女性として、一人の人間として自律的に生きた。狂おしい愛に打ちのめされ生涯の友情を得る中で、自身と身の回りの存在を凝視しその本質を描きだす手法をひたすらに追求。抑圧的な母親や男性社会に臆せず、名誉よりも内から湧き出る情熱に従った。どん底にあってもやがて立ち上がって背筋を伸ばし歩んでいく。その凛としたシャルフベックの姿が、北欧の透明な光に輝く自然や街並みとともに描かれる。

 あわせて公開されたティザービジュアルは、映画と同時代の1915年にシャルフベックが描いた代表的な自画像「黒い背景の自画像」を模し、シャルフベックを演じた主演女優ラウラ・ビルの姿に置き換えて描き下ろされた、映画のためのオリジナル作品が使用されている。

■公開情報
『魂のまなざし』
2022年夏、Bunkamura ル・シネマほかにて公開
監督:アンティ・ヨキネン
出演:ラウラ・ビルン、ヨハンネス・ホロパイネン、クリスタ・コソネン、エーロ・アホ、ピルッコ・サイシオ、ヤルッコ・ラフティ
配給:オンリー・ハーツ
2020年/フィンランド・エストニア/122分/字幕:林かんな/原題:Helene
(c)Finland Cinematic

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「映画情報」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる