山田裕貴、志村けんさん役で気づいた笑いの感覚 ダチョウ倶楽部 肥後克広の言葉に安心

 12月27日にフジテレビ系で『志村けんとドリフの大爆笑物語』が放送される。それに先駆けて、主演の山田裕貴をはじめ、勝地涼、加治将樹、松本岳、遠藤憲一が明治記念館で行われた取材に応じた。

(左から)加治将樹、勝地涼、山田裕貴、遠藤憲一、松本岳

 2020年3月、新型コロナウイルス感染症に伴う肺炎で急逝した志村けんさん。訃報は国内はもちろん、海外でも報じられたほど多くの人に愛されてきた、日本を代表するコメディアンのひとりだった。本作では、志村さんがコメディアンを志し、バンドボーヤとして過ごした下積み時代、またザ・ドリフターズの一員としてブレイクを果たすまでの軌跡のほか、知られざる苦悩や葛藤などの裏側も描かれている。

山田裕貴

 会見では、ザ・ドリフターズのメンバーそれぞれの役を演じるにあたり、気をつけたことや苦労した点について聞かれると、志村さん役を演じた山田は「数え切れないほどある」として、「どれだけみなさんの頭のなか、心のなかにある志村けんさんに近づけるのかってことをずっと考えながら、喋り方、コントのテンポや間……いろんなことに気を配りました。放送の日、本当にドリフが蘇ったんじゃないかって思ってもらえるくらいのドラマになれば」と期待を込めた。また、コロナ禍に亡くなった志村さんを偲び、「こういうご時勢、世界になって、苦しんでいる人たちがたくさんいると思うんですけど、そういう人たちの苦しみをみたいなものを、その日思いっきり笑いで吹き飛ばせるような。そんなドラマになれば」とメッセージを送った。

勝地涼

 加藤茶役を演じる勝地は、「ドリフターズもそうですし、加藤さん……小さい頃は“カトちゃん”って言いながら本当に大好きな方ですし、その方をまさか自分が演じることに驚きました」と前置きし、「役者として何ができるかって思ったときに、加藤さんをモノマネをするのではなく、加藤茶さんという生き方を伝えられるように芝居ができたら」と語った。また、台本に登場する一節、「難しい顔をしてやるんじゃなくて、あぁこいつら本当に楽しそうにやってるなって思うからお客さんが見て笑うんだよ」を紹介。悩んでいる志村さんに加藤がかけた言葉を挙げて「いまの自分にもすごく刺さった」と語った。

加治将樹

 高木ブー役の加治は、「ここにいられるだけで本当に夢のようで、楽しい時間を過ごさせていただいた」と感慨深げに語った。意識した点については「高木ブーさん、僕の中で何かなって思ったときにやっぱ“寝る”っていうことなんですよね(笑)。いかにどこのタイミングで寝るか、それは非常に大変でした(笑)」との発言には、共演者をはじめ会場からも笑いがこぼれた。

松本岳

 また、仲本工事役を演じた松本は、仲本が同じ事務所の大先輩ということもあり、本人に相談したと話す。「力を入れずに自分らしくやりな」とアドバイスされたと言い、「いい意味で力を抜いて仲本工事さんという役をやらせていただいた」と振り返った。また、ビジュアル撮影の際に松本だと気づいてもらえなかったことをはにかんだ様子で語り「ある意味寄せられたのかな」と手ごたえを感じた様子。

遠藤憲一

 ザ・ドリフターズのリーダー、いかりや長介さん役を演じた遠藤は、今回初めて仕事をしたという福田雄一監督とのエピソードを明かした。「監督に言ったのが、顔も違うし、声も違うし、モノマネみたいになることはできないので全然違っていいんですね? って言ったら、『なるべくまず寄せてくださいよ』(と言われた)」とやりとりを再現。「もっと自由自在な監督だと思ってて……(笑)。俺、あんまりきっちりやるの得意じゃないですよって言ったら、『僕自身も苦手なんですけども、今回は台本もちゃんと覚えてください』って言われて……。ちゃんときっちり寄せていく方向も必要なんだと思って。ちょっとだけ声も、普段の声よりは少し低めの長さん……顔はまぁどっちかって言うと寄っちゃってるんで(笑)」との言葉には会場が笑いに包まれた。

関連記事