『アバランチ』が描く反骨心の奥にある願い 駿河太郎演じる藤田はなぜ裏切ったのか?
第8話から第9話にかけて局面がガラリと変わり、『アバランチ』という作品が描こうとする全体像が視界に入ってきた。それはこの社会がまだ持っていないものだ。権力の理不尽さに抗いその度に志を挫かれる。その繰り返しで、強大な力の前に屈せざるを得なかったのが人間の歴史である。反権力といえば単純だが、反骨心の奥にあるのは人間が人間として生きたいという当たり前の願望で、その願いをこの時代にどうすれば実現できるかという問題意識が本作を貫いている。
権力を倒しても新たな権力が生まれるだけと言われるが、少なくともアバランチのメンバー、こと羽生に関してその心配はないだろう。なによりも何度も打ちのめされ、それでも立ち上がる羽生の目が笑っているのがいいなと思う。第9話のサブタイトルは「崩壊」。アバランチが起こした変化はすぐそこまで近づいている。
■放送情報
『アバランチ』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週月曜22:00~22:54放送
出演:綾野剛、福士蒼汰、千葉雄大、高橋メアリージュン、田中要次、利重剛、堀田茜、渡部篤郎(特別出演)、木村佳乃ほか
監督:藤井道人、三宅喜重(カンテレ)、山口健人
音楽:堤裕介
主題歌:UVERworld(ソニー・ミュージックレーベルズ)
プロデュース:安藤和久(カンテレ)、岡光寛子(カンテレ)、笠置高弘(トライストーン・ピクチャーズ)、濵弘大(トライストーン・ピクチャーズ)
制作:カンテレ、トライストーン・ピクチャーズ
(c)カンテレ
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