オスカー前哨戦スタート! ナショナル・ボード・オブ・レビュー作品賞は『Licorice Pizza』

 第93回ナショナル・ボード・オブ・レビューの結果が発表され、ポール・トーマス・アンダーソン監督の『Licorice Pizza(原題)』が作品賞に選ばれた。

ポール・トーマス・アンダーソン監督

 ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞は、映画の普及促進に関する活動を行う、米国映画評議会議(NBR)より授与される賞。長い歴史を誇り、アカデミー賞の前哨戦のひとつとして注目される賞である。

 作品賞に選ばれた『Licorice Pizza』は、1970年代のロサンゼルス、サンフェルナンド・バレーを舞台に描かれた青春物語。作品賞のほかに、監督のポール・トーマス・アンダーソンが監督賞を、主演のアラナ・ハイムとクーパー・ホフマンが、ブレイクスルー・パフォーマンス賞を受賞した。

 NBRのアニー・シュルホフ会長は、声明のなかで「さまざまな変化や不確実性が混沌とするこの瞬間に、映画のもたらす、喜び、希望、感動を思い出させてくれるような『Licorice Pizza』ほど素晴らしい作品はありません」と述べた。

 そのほかの作品では、『ドリームプラン』、『The Tragedy of Macbeth(原題)』、『A Hero(原題)』の3作品が、それぞれ2つの賞を獲得。『ドリームプラン』では、ウィル・スミスが主演男優賞、アーンジャニュー・エリスが助演女優賞を受賞し、『The Tragedy of Macbeth』からは、ジョエル・コーエンが脚色賞、ブリュノ・デルボネルが撮影賞を受賞、『A Hero』は外国映画賞に選ばれ、アスガー・ファルハディが脚本賞を受賞した。

 また、今年のトップ作品には、ティモシー・シャラメ主演の『DUNE/デューン 砂の惑星』、レオナルド・ディカプリオとジェニファー・ローレンス主演の『ドント・ルック・アップ』などが選ばれた。

 11月26日にアメリカで限定公開された『Licorice Pizza』は、12月25日に拡大公開予定。日本での公開情報は現状未定となっている。

ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞

作品賞:『Licorice Pizza(原題)』
監督賞:ポール・トーマス・アンダーソン
主演男優賞:ウィル・スミス『ドリームプラン』
主演女優賞:レイチェル・ゼグラー『ウエスト・サイド・ストーリー』
助演男優賞:キアラン・ハインズ『Belfast(原題)』
助演女優賞:アーンジャニュー・エリス『ドリームプラン』
脚本賞:アスガー・ファルハディ『A Hero(原題)』
脚色賞:ジョエル・コーエン『The Tragedy of Macbeth(原題)』
ブレイクスルー・パフォーマンス賞:アラナ・ハイム、クーパー・ホフマン『Licorice Pizza(原題)』
アニメーション賞:『ミラベルと魔法だらけの家』
外国映画賞:『A Hero(原題)』
撮影賞:ブリュノ・デルボネル『The Tragedy of Macbeth(原題)』

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