松村沙友理、ぶち当たった大きな壁と芝居への意欲 「自信がないからこそ逆に面白い」
2021年7月13日に乃木坂46から卒業した松村沙友理。卒業と同じタイミングでの放送開始となった連続ドラマ『プロミス・シンデレラ』(TBS系)にレギュラー出演し、スピンオフドラマ『シンデレラ・コンプレックス』(Paravi)では主演に抜擢、10月に放送されたSPドラマ『農家のミカタ』(テレビ東京系)でもヒロイン役を担うなど、女優として順風満帆な道を歩んでいるかのように見えた彼女だが、今年の春に撮影された、雨宮まみ原案、おかざき真里原作の映画『ずっと独身でいるつもり?』では、大きな壁にぶち当たったという。パパ活女子として生計を立てつつも、若さを失うことに怯える美穂という映画オリジナルキャラクターに挑んだ松村。撮影で直面した試練や芝居に対する率直な思いについて語ってもらった。【インタビューの最後には、コメント動画&サイン入りチェキプレゼント企画あり】
「やってみて、ダメで……」の繰り返しだった撮影
――今回、松村さんが演じられた美穂は、パパ活で収入を得る26歳の「港区女子」という役どころです。
松村沙友理(以下、松村):めっちゃ難しかったです。自分が思っていた以上に、自分には守っている殻があるんだなぁと、この映画で気づかされた感じがすごくしたというか。自分的には、これまで自分自身を作っている感じもなかったし、何かを隠すこともないと思っていたんですけど、この作品に出会って、ふくだ(ももこ)監督に出会って、「あなたの素をもっと見たい」ということをずっとおっしゃっていただいて……「私は気づかないうちに、自分を作り固めていたんだな」と気づかされました。
――それは撮影に入ってから?
松村:撮影に入ってからです。本読みの段階で、私自身が考えていた美穂のビジョンから大幅に変更になったんです。その場で監督と話し合うこともできたんですけど、撮影に入ってからも私自身があまり役を掴みきれていなくて……。やってみて、ダメで、またやってみて、またダメで……の繰り返しでした。
ーー美穂は主要登場人物の中で唯一、原作には登場しないオリジナルキャラクターですよね。そのプレッシャーもあったんですか?
松村:そこに対する明確なプレッシャーはありませんでした。ただ、それどころじゃなかったというか……。どうやって美穂という人物を完成させるかということにいっぱいいっぱいだったので、そこまで考え切れてなかったというのが正直なところです。でも、実際に完成した作品を観てから、美穂というキャラクターの重要性がわかりました。とても重要なポジションを任せていただいたんだなということを、撮り終わってから実感しましたね。映画が公開されるまでのいまこの時期が、一番プレッシャーを感じているかもしれません。
ーーメインキャストの他の3人、田中みな実さん、市川実和子さん、徳永えりさんとは共演シーンもほとんどない構成になっていますね。
松村:そうなんですよ。だから交流もほとんどなくて。みな実さんとは、作品完成後の試写で同じだったので、観終わってからお話させていただいたりもしたんですけど、現場で同じシーンはほとんどなくて、控室ですれ違うくらいでした(笑)。でも、やっぱり最初の本読みの段階で、私が全然できなかったこともあって、みな実さんにはすごく助けていただきました。ずっと私のことを気にかけてくださったみたいで、お会いするたびに「大丈夫?」と声をかけてくださって。本当に優しい方だなと思いました。
ーー他のキャストの方々との共演シーンが少ないと、メンタル的に心細くもなってしまいそうです。
松村:でも、他の方々とあまりご一緒にならなかったからこそ、スタッフさんの力をめっちゃ借りました。今回はスタッフの皆さんにすごく助けていただいたんです。私がボロボロだったので、いかにして私がやりやすい環境を作れるかというところまで、皆さんが気を遣ってくださって。今回は本当に、監督を含めスタッフの皆さんに助けていただいたなと感じます。1人でやっている感じは全然しなかったですね。