片寄涼太×鈴木伸之の対峙も 『ラジエーションハウスII』第6話はこれまでのベスト回?
辻村(鈴木伸之)が医療過誤で訴えられ、ラジエーションハウスには医療訴訟をメインに扱う弁護士の武藤(片寄涼太)が現れる。11月8日に放送された『ラジエーションハウスII~放射線科の診断レポート~』(フジテレビ系)第6話は、何よりもまずゲスト出演のGENERATIONS from EXILE TRIBE・片寄と、レギュラー出演の劇団EXILE・鈴木が対峙するという点にこの上ない惹きが生じる。同時にそのワクワク感を上回るほどの高品質なストーリーが展開する好エピソードにも仕上がっており、現時点でこのシーズン2のベストエピソードに選びたいぐらいだ。
半年前に救急科のヘルプに入った辻村は、そこで外来でも診たことのある患者を担当する。しかしその患者が後になって骨盤骨折で寝たきりになってしまったというのだ。検査で骨粗鬆症の兆候を見落としたのではないかと責任を問われた辻村は、自分の判断に誤りがあったのではないかという苦悩からその過失を認めてしまう。一方で唯織(窪田正孝)は半年前のその患者の検査データに骨粗鬆症を裏付けるものが見受けられないことから、何か他に骨盤骨折を引き起こした原因があるのではないかと調べ始めるのである。
劇中のナレーションでも示された“敵”と“ライバル”の違い。対峙する前者に対し、後者は同じ目的を持ち同じ方向を見て、そして互いを高めあうことができる。それはつまり、このドラマの根幹に常に顕在しつづけている大きなテーマそのものである。医師と技師の対比、杏(本田翼)をめぐる唯織と辻村の相変わらずの関係性であったり、シーズン2から見られるようになった軒下(浜野健太)と田中(八嶋智人)の間のライバル意識もしかり、そしてラストで動きを見せる裕乃(広瀬アリス)と杏の唯織をめぐる関係性もしかり。そこに今回のエピソードでは、武藤という弁護士が飛び入りするのである。
外部の第三者である武藤がラジエーションハウスの面々に不躾に言い放つ、技師という職業性を見下したような発言や、「技師でも患者を救える」というラジエーションハウスの中に共通認識として存在する概念をあえて伝える嫌味たらしさ。そこから依頼人である患者に他の病気の可能性があることがわかり、自身のすべきことを見出し、検査を受けるよう依頼人に頭を下げるまでの心の動き。そして彼自身の過去に紐づけられるようにして最後に唯織に見せる表情。もはや誰かの命を救いたいという思いに、敵だの味方だのはおろか、職業や立場も関係ないのだと示しているようだ。