『SHAMAN KING』人気エピソード「恐山ル・ヴォワール編」へ 話題の歌は流れるか?

 2021年4月にスタートしたTVアニメ『SHAMAN KING』。同作が、11月4日から放送・配信される第30話でファンに人気の高いエピソード「恐山ル・ヴォワール編」に突入する。第3話でこのエピソードの1シーンを思わせるカットが挿入された際もSNSなどで反響は見られたが、それから約半年、ここまで視聴を続けてきたファンの中には待ちわびた人もいるかもしれない。

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 この記事の読者の多くはご存知だろうが、改めてTVアニメ『SHAMAN KING』について紹介する。本作は武井宏之による同名マンガが原作のアニメで、主人公の麻倉葉をはじめとする能力者(シャーマン)たちが、森羅万象を司る星の王・シャーマンキングになるため500年に一度行われるシャーマンファイトを戦うという物語だ。かつて2001年から2002年にかけて『シャーマンキング』として一度アニメも放送されたが、2021年版では改めて物語の最初からアニメ化されている。

 ここまで『SHAMAN KING』を観ていて強く感じられるのが制作陣の原作や以前のアニメに対するリスペクト。まず本作は制作発表時に「『SHAMAN KING』全35巻を原作として、シリーズを最後まで描き切ります!」と宣言。これは『シャーマンキング』はオリジナル要素の多かったことを念頭に置いたものだった……かは定かではないが、その宣言通り、現在のところストーリーは基本的に原作に沿って進行している。

 声優は葉役の日笠陽子以外は、ヒロインの恐山アンナ役の林原めぐみをはじめほぼ『シャーマンキング』を踏襲している。また第1弾オープニングの映像が顕著だが、『シャーマンキング』を想起させられる演出が多々見られる。つまり本作は“わかってる”制作陣によって映像や演出などが2021年らしくアップデートされた、真の意味で『SHAMAN KING』のアニメとなっているのだ。

 その『SHAMAN KING』が全52話の折り返し地点を少し過ぎたところで、単行本全35巻の18巻までのエピソードを終えた。凶刃に倒れた道蓮をアイアンメイデン・ジャンヌに救ってもらうため、その交換条件で葉がシャーマンファイトを辞退した場面だ。

 これから始まる「恐山ル・ヴォワール編」は、単行本2巻ほどでまとめられた過去編となる。話は本編から5年前に遡り、葉とアンナが出会い許嫁になった顛末が綴られる。それまでのバトル中心の展開とは打って変わり冬の青森を舞台にした叙情性あふれる物語、これまで一貫して強い人間として描かれてきたアンナの意外な一面と秘密、そして少ない登場回数ながら確かな存在感を放つ、忠義心あふれる猫又のマタムネなど「恐山ル・ヴォワール編」の特異性と魅力は多い。

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