『ハンオシ』初恋相手役がハマる倉科カナ 坂口健太郎演じる百瀬がもたらす“不意キュン”も

 パジャマ姿に、あらぬ寝相、寝起きの寝癖・メガネ姿に、そして今回はバンダナ姿の坂口健太郎を拝めた『婚姻届に判を捺しただけですが』(TBS系、以下『ハンオシ』)第2話。第2話目にして、すでに百瀬(坂口健太郎)の好きな人は兄の妻・美晴(倉科カナ)であることが明かされ、明葉(清野菜名)にも何やらこれまでにない百瀬に対する感情が湧き上がってきた様子が早々に見られた。

 しかし“向日葵のように笑う人”、そして誰かにとっての初恋相手役に倉科カナはよくハマる。TBSの同枠『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』でも、潤之介(玉森裕太)の初恋相手役を好演していた。初恋相手ではなかったものの『奪い愛、冬』(テレビ朝日系)での主人公役でも、元恋人の記憶の中にずっと残り続ける“忘れられない女性”役を熱演した。

 読書好き同士で中学校の同級生だった百瀬と美晴。ただ、美晴が惹かれたのは百瀬とは似ても似つかぬ正反対の存在、兄・旭(前野朋哉)の方だったのだ。

 この百瀬兄弟の違いは、彼らの実家の弁当屋・モモズ弁当を手伝った明葉のミスに対するリアクションでも如実に表れる。

 メモを読み間違えて大量の肉を注文してしまった明葉に、旭と美晴はすぐさま自分たちの指示や確認が不十分だったと言い、代替メニューを考えようと気持ちを切り替えるも、百瀬にはその許容力がすぐにはどうしたって発動できない。「言い訳は聞きたくありません。あなたを選んだ私がバカでした」と、明葉を全否定するような言葉を投げかけてしまう。対して、旭は「あきちゃんのことちゃんとフォローしておいてくれよ。ミスは誰にでもあるんだし」と、さらりと言ってのけられる。

 この百瀬兄弟の相手の間違いや失敗に対する許容力、包容力の違いが、美晴の前でも露呈するような出来事が過去にあったのだろうか。いくら読書の趣味が合ったとて、美晴が生涯の伴侶として選んだのは“活字は全く頭に入ってこない”という旭だったのだ。美晴も両親の帰りが遅い家に育ち寂しい思いをしたというようなことをこぼしていたが、“あったかい家庭”を望んだ時にやはり頭に浮かんだのは百瀬ではなく旭だったのかもしれない。

 当初、百瀬の想い人が美晴と気づいていなかった明葉が思わず、美晴を絶賛した上で「美晴さんがお義兄を選んだ理由が何となくわかる気がします」と続けたのも、致し方ないことだが百瀬には堪えただろう。今のところ、旭も美晴も百瀬から美晴への気持ちには一度も気づいたことがなさそうで、それもまた切ない。

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