TBS火曜ドラマは若手女優の試験場? 『婚姻届に判を捺しただけですが』清野菜名に注目
まもなく放送開始の『婚姻届に判を捺しただけですが』(TBS系、以下『ハンオシ』)にて主演を務める清野菜名。本作は、相手役を務める坂口健太郎を筆頭に、倉科カナ、高杉真宙、深川麻衣、田辺誠一といった面々が揃った作品だ。清野はこの手練れの俳優陣の中心で、いったいどのような奮闘ぶりを披露してくれるのだろうか。
清野といえばここ数年、ますます重要度が上がっている俳優なのではないだろうか。その彼女がプライムタイムで初の単独主演を果たす『ハンオシ』。本作が放送される「TBS火曜ドラマ」は、若手の女性俳優の力量が試される場となっている印象がある。前シーズンから一作ずつ振り返ってみると、『プロミス・シンデレラ』『着飾る恋には理由があって』『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』『この恋あたためますか』『おカネの切れ目が恋のはじまり』『私の家政夫ナギサさん』『恋はつづくよどこまでも』ーーいずれも女性俳優が作品の看板となり、恋に仕事にと奮闘する女性像を演じ、輝きを放ってきた。
若手女性俳優の登竜門とも言われるのが、朝の連続テレビ小説・通称「朝ドラ」だ。近年はオーディションなしでのキャスティングが続いているが、もともとはオーディションによって選ばれた、まだあまり世間に知られていない若い俳優たちが羽ばたくきっかけとなる場という面が強くあった。対するこの「TBS火曜ドラマ」は、ある程度の年齢やキャリアを重ねた女性俳優たちが、さらなる飛躍の機会を得る場になっている印象。デビューからたったの3年ほどでこの座に大抜擢された森七菜は異例として、前作『プロミス・シンデレラ』の二階堂ふみ、『着飾る恋には理由があって』の川口春奈、『おカネの切れ目が恋のはじまり』の松岡茉優、『私の家政夫ナギサさん』の多部未華子といった並びを見れば、合点がいくのではないだろうか。短いスパンで『恋はつづくよどこまでも』と『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』の2作で主演に起用されている上白石萌音などは、まだまだ若手ながら、いかに制作陣から期待されているのかがうかがえる。
そんな「TBS火曜ドラマ」枠で清野が座長を務める『ハンオシ』は、偽装結婚をした夫婦が織りなす物語を描くもの。仕事にやりがいを持ち、独身生活を謳歌していた主人公・大加戸明葉(清野菜名)が、広告代理店に勤める百瀬柊(坂口健太郎)とひょんなことから“偽装夫婦”となり、“結婚”や“夫婦”というものを照らし出していく。現実世界に生きる私たちからすると、突拍子もない設定の作品である。これまでの「TBS火曜ドラマ」の作風からして、女性主人公の“恋と仕事”をコミカルなタッチで描いていくのだろう。