少女と修道女が舞い、歌い、ヘッドバンギング 『ジャネット』『ジャンヌ』予告編公開

『ジャネット』『ジャンヌ』予告編公開

 12月11日公開のブリュノ・デュモン監督によるジャンヌ・ダルク2部作『ジャネット』『ジャンヌ』の予告編とチラシビジュアルが公開された。

 カトリックの聖女、魔女、神の恩寵を受け祖国を救う愛国的英雄、民衆を鼓舞する革命の偶像、異端審問の末に火炙りにされた男装の女騎士、フランス国民劇の受難のヒロイン……など、15世紀初頭のフランスに実在した少女の物語は、これまでも多数の映画監督が題材として取り上げてきた。本作は、デュモン監督による最新の変奏となる。

 原作は、シャルル・ペギーの劇作『ジャンヌ・ダルク』(1897年)と『ジャンヌ・ダルクの愛の秘義』(1910年)。ペギーは、ジル・ドゥルーズ、ヴァルター・ベンヤミン、ジャン=リュック・ゴダール、そして須賀敦子らを魅了したカトリックの詩人・思想家であり、ジャンヌ・ダルクがイギリス軍から解放した都市オルレアンの出身。デュモンは、ジャンヌ・ダルクの生涯を特別な想いを持って描いたペギーの詩劇を、独自の演出・手法によって、二つの映画作品に仕上げた。

『ジャネット』『ジャンヌ』予告編

 予告編は『ジャネット』と『ジャンヌ』のそれぞれの見どころから構成されている。『ジャネット』ではブレイコアやデスメタルなど様々なジャンルを横断するフランスの異才音楽家Igorrrの楽曲に合わせて、少女や修道女が踊り、歌い、ヘッドバンギングする奇想天外な映像に。『ジャンヌ』は今年コロナ感染症で亡くなったフランスのポップ歌手クリストフの歌が流れるなかで、戦争を比喩的に表現した華麗な馬術ショーから、聖職者たちがジャンヌを激しく糾弾する異端審問までが切り取られている。

 チラシビジュアルは、ジャンヌ・ダルクのまなざしが強く印象に残るイメージに仕上がった。『ジャネット』では「聖女の悲観、魔女の絶望、宿命の霊性、絶対の孤独。」のコピーとともに悪魔ポーズをとる羊飼いの少女が、『ジャンヌ』では「凋落する世界に対峙する、愛と神秘の歴史劇。」のコピーとともに勇ましい甲冑姿の少女が切り取られている。

■公開情報
『ジャネット』
12月11日(金)より、ユーロスペースほか全国順次公開
出演:リーズ・ルプラ・プリュドム、ジャンヌ・ヴォワザン、リュシル・グーティエほか
監督・脚本:ブリュノ・デュモン
原作:シャルル・ペギー
撮影:ギヨーム・デフォンタン
音楽:Igorrr
振付:フィリップ・ドゥクフレ

『ジャンヌ』
12月11日(金)より、ユーロスペースほか全国順次公開
出演:リーズ・ルプラ・プリュドム、ファブリス・ルキーニ、クリストフほか
監督・脚本:ブリュノ・デュモン
原作:シャルル・ペギー
撮影:デイビット・シャンビル
音楽:クリストフ

配給:ユーロスペース
(c)3B Productions

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