『チェリまほ』に続き『うきわ』も高評価 本間Pに聞く、ドラマ作りで大切にしていること

原作ものを手がける上で考える「今の時代に映像化する意義」

ーーこれまでの不倫ドラマのイメージとはかなり印象が異なりますが、従来の不倫ドラマはどの程度意識されたのでしょうか?

本間:ストーリーのテイストや世界観で意識した不倫ドラマはありませんが、放送当時ハマっていた『昼顔』(フジテレビ系)は改めて見返して、テンポ感や構成の素晴らしさを再認識しました。あと、不倫ではないですが、映画『ゴーン・ガール』『ブルーバレンタイン』『マリッジ・ストーリー』など、夫婦の歪み、パートナーとのすれ違いに触れているものを見返したりしました。

ーーなるほど。『ブルーバレンタイン』や『マリッジ・ストーリー』の空気感はわかる気がします。本間さんがプロデューサーやドラマ制作者として影響を受けたドラマ、この業界に入るきっかけとなった作品も教えていただけますか?

本間:『問題のあるレストラン』(フジテレビ系)は、毎週泣きながら観るくらい救われ、励まされていました。そのときはまだバラエティでADをやっていたんですが、いつか私もこんなふうに誰かのために闘えるドラマが作れるようになりたいなと思っていました。あとは『アンナチュラル』(TBS系)。圧倒的なエンタメの中で真摯に社会の歪みを描く姿勢、台詞の切れ味、構成、テンポ、全てが衝撃的でした。もともと小さい頃からドラマが好きだったんですが、作る側にいってみたいなと初めて具体的に思ったのは、映画『百万円と苦虫女』を観たときだったと思います。あと、韓国映画の『スウィンダラーズ』が好きなので、ああいうカッコいいコンゲームものはいつかやってみたいと思います。

ーー『チェリまほ』『うきわ』と手がけられたドラマが2作続けて高評価を受けていますが、ドラマを作る上で大切にしていることがあれば教えてください。

本間:どちらも原作ものなので、原作の世界観を大切にするのは大前提ですが、既に世界が確立されているものを、今の時代に映像化する意義というのは考えるようにしています。あとは、多数決で決めないこと。自分もそうですが、監督も脚本家さんもキャストの方々も、作品を名刺にして生きていく人たちです。作品の評価がキャリアを左右することだってある。そんな中で集まってくれた方々なので、完璧に進めていけることばかりじゃないけれど、そのみんなが納得して進んでいけるようにしたいというのは、まだまだ勉強中の身ながらも思ってます。

ーー最後に、『うきわ』最終回に向けての見どころと読者へのメッセージをお願いします。

本間:夫婦の数だけ夫婦のカタチがあって、その正解を探すのではなく、原作で描かれた二葉家は二葉家なりの、中山家は中山家なりの答えを大切に、脚本家の倉光(泰子)さん、神田(優)さん、監督の風間(太樹)さん、太田(良)さんと試行錯誤しながら作ってきました。傷つきたくない麻衣子と傷つけたくない二葉さんがうきわを通して見つけたものが何なのか、ぜひ見届けていただけたらうれしいです。

■放送情報
『うきわ ―友達以上、不倫未満―』
テレビ東京系にて、毎週月曜23:06~放送
動画配信サービス「Paravi」「ひかりTV」にて配信
出演:門脇麦、森山直太朗、田中樹(SixTONES)、高橋文哉、小西桜子、大東駿介、蓮佛美沙子、西田尚美
原作:野村宗弘『うきわ』(小学館ビッグスピリッツコミックス)
監督:風間太樹、太田良
脚本:倉光泰子、神田優
音楽:坂本秀一
チーフプロデューサー:阿部真士(テレビ東京)
プロデューサー:本間かなみ(テレビ東京)、滝山直史(テレビ東京)、唯野友歩(AOI Pro.)
制作:テレビ東京/AOI Pro.
製作著作:「うきわ ―友達以上、不倫未満―」製作委員会
(c)野村宗弘・小学館/「うきわ ―友達以上、不倫未満―」製作委員会
公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/ukiwa/
公式Twitter:@tx_ukiwa

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