『おかえりモネ』亮を放っておけない百音 菅波先生との関係に波紋も?

『おかえりモネ』亮を放っておけない百音

 「周りの期待に応えるってさ、案外、楽なんだよ。最初はね。でも、だんだん苦しくなる」。亮(永瀬廉)を連れ戻しに24時間営業の喫茶店にやってきた百音(清原果耶)は、「やめてもいいと思うよ」と伝える。前夜、亮から電話で「もう全部やめてもいいかな」と打ち明けられたことへの百音なりの返答だった。

 『おかえりモネ』(NHK総合)第77話。「自分でそっちの道選んどいて、今さらそういうこと言う奴うぜえわ」と亮。自嘲ぎみに笑う亮に「りょーちんは頑張ってきたよ、ずっと」と百音は返す。百音の言葉は未知(蒔田彩珠)の思いも汲むものだった。周りが喜んでくれるからと漁師になった亮は、いつの間にかたくさんのものを背負っていた。帰ろうとする亮を百音は押しとどめる。このまま地元に戻ったら、亮は苦しさを抱えたまま日々を送ることになる。百音は友人として放っておけなかった。

 亮には荷物を下ろせる場所が必要だった。美波(坂井真紀)の死を悼む余裕もなく、廃人のようになった父の新次(浅野忠信)を継いで海に出た。漁師になることは自身で決めたことで、頑張る亮を周りも応援してくれる。けれども、同級生たちはそれぞれの道を見つけて着実に進んでいた。亮は自分だけ取り残されたような気持ちになったかもしれない。この先もずっと、見知った顔ばかりの島で新次を抱えて漁師を続けていくのだろうか? 美波の死を認められない新次を目にし、幼なじみの百音に相手がいると知らされたことで、その不安は一気に噴出した。耐えきれなくなって、海からも絆からも逃げようとしたのだ。

 前話で突然のクラッシャーぶりを発揮した未知。百音を嫌いになったわけでも、本気で不幸にしようと思っているわけでもなく、亮が自分の方を向いてくれないショックから「お姉ちゃんだけずるい」という心理が暴発したと思われる。菅波(坂口健太郎)は明日美(恒松祐里)の説明で事態を理解。冷や水を浴びせられても冷静なところは菅波らしい。「そういう時にこっちのことを忘れてしまう人の方が僕は信頼できます」「もう謝らなくていいから、まずはそちらの時間を大事にしてください」と百音に声をかける。

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