『おかえりモネ』蒔田彩珠と永瀬廉が東京編を揺るがす? 永浦姉妹と亮の関係性

 連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合)第15週はタイトル「百音と未知」の通り、少し前から特にあらわになっている永浦姉妹の間のわだかまりについて描かれるようだ。

 第14週でヒロインの百音(清原果耶)の父親・耕治(内野聖陽)が「頑張り屋さん」だと紹介していた未知(蒔田彩珠)がヒロイン・百音(清原果耶)の元を訪れる。姉妹の久々の再会の場に、未知が恋心をずっと寄せ続けている亮(永瀬廉)までも現れるようだがこれが凶と出るのか吉と出るのか。

 百音と未知の間の微妙なズレは少し前から現れ出していた。地元を直撃する観測史上初の大型台風の到来予測を家族にいち早く伝え、気仙沼のピンチを救った百音の活躍の裏で、水産試験場に就職するも仕事で思うような結果が出せず焦っていた未知は何やら複雑そうな表情を浮かべる。台風被害から未然に船を守るために、ついに新次(浅野忠信)が船に乗ったことを息子の亮は百音には真っ先に伝えており、この事実がさらに未知の心をチクチク締め付ける。同じ地元にいるのに、同じ水産業に従事していて百音よりも亮との共通点は多く物理的な距離は近いはずなのに、亮がきっと最高に嬉しかったに違いない一大事を話したい相手は自分ではなく、よりにもよって姉なのだ。姉に思わず「りょーちん、お姉ちゃんには知らせるんだ。お姉ちゃん、ずるい」とこぼしてしまう未知だが、その後すぐに自身の言葉を打ち消していた。また残酷なのは百音の「そういうのじゃない」という純度100%の回答が、未知にとっては自分が喉から手を出るほどに欲しているものを意識せずとも手に入れられる強者の言葉に聞こえかねないところだ。

 それもあってか、祖父・龍己(藤竜也)の牡蠣の品評会の授賞式に一緒に取り組んでいるはずの未知は参加するのを断り、百音からのメッセージも既読スルーしてしまう。そもそも未知は耕治や百音の代わりにとは言わないが、家族の中で唯一家業を継いだ存在だ。これから百音が中継キャスターとしてデビューし一見したところ華々しいポジションに就くことが未知の目にはどう映るだろうか。上京してからの激動の百音の苦悩や葛藤をタイムリーに知っている訳ではない彼女からすれば、より一層東京で自由に楽しそうに働く姉の姿だけが強調されてしまうかもしれない。

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