『ダイの大冒険』にみる、“往年の名作”を現代にアニメ化する覚悟と矜持

 さらに『ダイの大冒険』(1991年版)からガラリと入れ替わった声優陣の熱演も見逃せない。作画も含め、その力の入りようは以下のダイジェスト動画で確認してほしいが、ダイ役の種崎敦美さんやポップ役の豊永利行さんを始め、子供の頃から原作や『ダイの大冒険』(1991年版)に触れていた世代も多くキャスティングされている。それだけに本作への思い入れは強いようで、特に種崎さんと豊永さんはアニメ放送直後にYouTube番組『ダイ好きTV』でその一端を垣間見せることも。この番組では放送が終わったあとすぐにキャストやほかのファンと最新話を振り返ることができ、現代的なアニメを楽しみ方を実現している。

5分でわかるアニメ「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」

 このように原作のよさを再現しつつ、現在のアニメとして丁寧にアップデートされた『ダイの大冒険』(2020年版)に、原作連載時からのファンとしては感謝するばかり。近年、20~30年前に話題だった作品のアニメ化やリメイク、続編が発表されることも多い。もちろんそれぞれにリソースや事情があるため難しいことも多いのだろうが、この『ダイの大冒険』(2020年版)や同じ『週刊少年ジャンプ』の作品の『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ、先日3年にわたる放送を終えた『フルーツバスケット』のような、覚悟や矜持を感じさせる作品が増えてほしいところだ。

 現在、『ダイの大冒険』(2020年版)は超魔生物ハドラーとの戦いを終え、そろそろ魔王軍が待ち構える死の大地に改めて向かおうとしている。全25巻の原作『新装彩録版』では11~12巻辺りだ。原作ファンならご存知の通り、ここからも名シーンが目白押し。あの“極大消滅呪文”は、大魔王バーンのあの名セリフはアニメでどのように表現されるか、そしてあのキャラクターの登場シーンは……?

 幸いなことに、YouTubeの東映アニメーション公式で夏休み特別企画として毎日1話ずつ本作の動画がアップされている。原作は好きだけど本作は未見という人、もしくは途中で脱落したという人もこの機会に追いつき、アニメでは未知の冒険を見届けよう。

■放送情報
『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』
テレビ東京系にて、毎週土曜9:30〜放送中
原作:『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』原作:三条陸/漫画:稲田浩司/監修:堀井雄二(集英社『週刊少年ジャンプ』)
シリーズディレクター:唐澤和也
シリーズ構成:千葉克彦
声の出演:種崎敦美(※「崎」は「たつさき」が正式表記)、豊永利行、小松未可子、早見沙織、櫻井孝宏、梶裕貴
キャラクターデザイン:宮本絵美子
美術:藤井綾香(スタジオパブロ)
音楽:林ゆうき
色彩設計:森綾
アニメーション制作:東映アニメーション
(c)三条陸、稲田浩司/集英社・ダイの大冒険製作委員会・テレビ東京 (c)SQUARE ENIX CO., LTD.
公式サイト:https://dq-dai.com/
公式Twitter:@DQ_DAI_anime

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