賀来賢人が語る、“医療ドラマ”に挑む意義 「知ってもらえるだけでも何かが変わる」

 鈴木亮平が勇猛果敢な救命救急医役で奮闘する、TBS日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』。都知事の号令で新設された救命救急のプロフェッショナルチーム「TOKYO MER」は、“駆け付けた現場で死者を1人も出さないこと”を掲げ、重大事故・災害・事件の現場に繰り出す。

 今回、鈴木が演じる主人公・喜多見幸太のバディとも言える音羽尚役の賀来賢人にインタビュー。厚生労働省の官僚でありながら医師でもある医系技官として、「TOKYO MER」に正式認可を与えないために派遣されたスパイでもある音羽を演じる上での役作りや、医師役の難しさ、医療ドラマをやる意義を語ってくれた。

鈴木亮平は「すごく頼れるお兄ちゃん」

ーー昨年放送された『半沢直樹』(TBS系)に続き、2回目の日曜劇場出演となります。今回は医療ドラマになりますが、台本を読んだの最初の印象はいかがでしたか?

賀来賢人(以下、賀来):日曜劇場に2年連続で出られたのはすごくありがたいので、10年連続で出られるように頑張りたいと思います(笑)。今回は救急隊と医者が混ざったような仕事で、やることが多くて大変だなと。台本のすべてが、緩急で表現すると“急”といった状況です。観ている方は息もつけないような、あっという間に終わるドラマになるんじゃないかなと思いました。

ーー主演の鈴木亮平さんの印象を教えてください。

賀来:本当にストイックな方です。喜多見は危険を顧みず、いろんな災害現場にいって、かつ、冷静に医療行為をするスーパードクターなので、亮平くんはものすごく準備をされていて、身体の構造を全て把握しているんです。おそらく、手術もできちゃうくらいに達していると僕は思っています。医療ものって手元の作業はプロの方が吹き替えでやる場合が多いんですが、亮平くんは全部できちゃう。分からないことは普段、医師の先生に聞くんですが、亮平くんに聞いてしまうことも多いです(笑)。知識も豊富ですし、何でも聞いてくださいっていうスタンスでいてくれて、向上心を持ってやられているので、引っ張ってもらっています。

ーー鈴木さんとのコンビぶりをどのように感じていますか?

賀来:相性はいいと思っています。すごく頼れるお兄ちゃんかと思えば、とてもチャーミングな一面もある方で。集中するところが一緒で、自然と2人で現場の空気を締めるというか、いい作品を作ろうという思いが一致しているような気がします。

ーー鈴木さんが賀来さんのことを、「カッコいいし、芝居はうまいが、すぐふざける」と言っていました(笑)。

賀来:(笑)。真面目な役なので、遊びどころを一生懸命探しているんですけど、ないんです。シリアスなシーンが多い分、現場では冗談を言い合いながら、和気あいあいとやっています。

ーー賀来さんから見て、喜多見はどういう人物に見えますか?

賀来:喜多見がやっていることは全部、無茶です。結果、人が助かっているからいいけど、みんなが「何やってんだ!」って怒るのは分かります。でも、彼の気持ちが強いから、周りの人もついつい動いてしまうし、それで周りの人を変えていく、特殊な人だなと。音羽自身もすごく刺激を受けて、自分がやっていることは正しいんだろうかと考えさせられていくんです。喜多見のような超人が医療現場にいてくれたら、ものすごいパワーを発揮するんだろうなと思います。

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