浅野忠信から永瀬廉、夏木マリから清原果耶へ 『おかえりモネ』が描く次の世代へのバトン

『おかえりモネ』が描く次の世代へのバトン

「いまを生きる世代が再び海の可能性を信じ、復興をなしとげることが犠牲者の供養となり、次世代への希望となろう。理念を超えた観念をメッセージ化したものが『海と生きる』である」

 2011年10月、気仙沼市震災復興市民委員会が「気仙沼市震災復興計画」の副題に掲げたキャッチフレーズが「海と生きる」だ。委員会の説明には「単に『海で』生活していたのではなく、人間は自然の一部であることを経験的に体得し、対等の関係を築いて『海と』生活していた」との記載もある(参照:「気仙沼市震災復興計画」)。

 この考え方は、『おかえりモネ』(NHK総合)の大きなテーマとして描かれている「天気は山とも海とも繋がってる」ということを、そして第8週「それでも海は」にて亮(永瀬廉)と新次(浅野忠信)が思いを共にする「海に恨みはない」という言葉を思い起こさせる。

「俺は立ち直らねぇよ、絶対に立ち直らねぇよ!」

 いまだ美波(坂井真紀)を忘れられない、忘れようとしない新次。そんな父親の思いを聞き、亮は「俺らが、前を向くしかないんだ」と幼なじみたちにつぶやく。

 『おかえりモネ』で印象的に描かれているのは、百音(清原果耶)や未知(蒔田彩珠)、そして亮といったこれから先の未来を担う「次の世代」にバトンが繋がれる姿だ。サヤカ(夏木マリ)から百音に、龍己(藤竜也)から未知に、新次から亮に。もちろん、「好きなことしなさいね」と百音と未知の背中を押す亜哉子(鈴木京香)の母親としての形もある。

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