清原果耶の“相手役”は年上ばかり? 山崎賢人、成田凌、坂口健太郎らを輝かせる実力

 朝ドラにおける序盤から中盤までにかけての見どころは、ヒロインが誰と結ばれるかということにある。

 初めから運命の相手が明らかになっている『おちょやん』(NHK総合)や『エール』(NHK総合)などの作品においてはその馴れ初めを見守ることが楽しみの一つとなるが、『なつぞら』(NHK総合)や『半分、青い。』(NHK総合)では二転三転していくその恋路自体が話題の中心にもなっていた。『ひよっこ』(NHK総合)においては、みね子(有村架純)が最終的に島谷(竹内涼真)とヒデ(磯村勇斗)のどちらと結ばれるのかは聞かされておらず、脚本の岡田惠和が「ギリギリまで台本を考えていた」ことを、6月25日放送の『あさイチ』(NHK総合)「プレミアムトーク」に出演した磯村勇斗が明かしている。

 現在放送中の『おかえりモネ』もまた『ひよっこ』のように、ヒロインの百音(清原果耶)が誰と結ばれるのか予測がつかないタイプの朝ドラである。第7週「サヤカさんの木」までの物語では、気象予報士試験を受けるための勉強会を通じて急速に距離を縮めている医師・菅波(坂口健太郎)との関係性を、サヤカ(夏木マリ)や翔洋(浜野謙太)ら森林組合の人々と同じように視聴者が微笑ましく見守っている状態。ほかにも、百音とは気が合う幼なじみで漁師見習いの亮(永瀬廉)が現時点での百音を取り巻く男性陣候補として挙げられる。

 ふと気がつくのは、演じる清原果耶の年齢に対して相手役が一回り上の男優のケースが多いということだ。清原は現在19歳(2002年1月生まれ)。同世代の女優には同じ学年の森七菜(2001年8月生まれ)や一つ上の浜辺美波(2000年8月生まれ)がいる。もちろん、森が『エール』で演じた梅の相手が五郎(岡部大/32歳)であること、浜辺が出演した『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ系)で演じる空の「運命の相手」とされた渉(東啓介/25歳)と相手役が5歳以上の年上である例は2人にもあるものの、清原の場合はその比ではない。

 昨年公開された清原の映画初主演作『宇宙でいちばんあかるい屋根』で演じているのは、隣人の大学生・亨(伊藤健太郎/24歳)に恋をする14歳の中学生・つばめ(清原果耶)。憧れと恋心の間で逡巡しながらも一歩踏み出していくピュアなつばめの姿は、今振り返ると『おかえりモネ』の百音のイメージにも近く感じられる。

『まともじゃないのは君も一緒』(c)2020「まともじゃないのは君も一緒」製作委員会

 丁々発止の会話劇から「普通って何?」を巡り、互いに惹かれあっていく香住(清原果耶)を演じた映画『まともじゃないのは君も一緒』の相手は大野(成田凌/27歳)。その間柄は予備校講師と教え子。現在公開中の映画『夏への扉 ―キミのいる未来へ―』で演じる璃子(清原果耶)もまた相手は宗一郎(山崎賢人/26歳)と歳の離れた役柄だ。

 『おかえりモネ』第29話でサヤカから「若いあんだがら見っと余裕しゃくしゃくで生ぎでるように見える立派な大人もね、本当はじだばだもがきながら生ぎでんの」と菅波(坂口健太郎/29歳)の医師としての葛藤を教えられるシーンがあるが、言い方を変えれば百音はまだまだ子供と見られているということ。『夏への扉』でも璃子が宗一郎から「大人」と「子供」として距離を取られる場面があり、清原に求められている役所の輪郭が見えてくる。

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