関ジャニ∞ 横山裕、『コタローは1人暮らし』で光る役作り 子役とのシーンには素の部分も?

 冴えない役柄の一方で、がらりと雰囲気を変えたのが2019年3月公開の『映画 少年たち』で、少年刑務所の看守長・中林役。東西のジャニーズJr.が100人ほど集結した作品で、血気盛んな少年受刑者たちを、厳しすぎるほどに束ねる看守役だった。横山の威圧感ある演技によって少年受刑者たちの青さが立ち、同時に作品を引き締める役割を担っていた。彼が背負った悲しい過去を内包した威圧感と冷徹な表情、佇まい、そしてラストにみせる新たな顔……と、作品の始まりと終わりでもかなりの変化をみせた。もっと言えば前述の二宮役からの豹変っぷりが印象的だ。姿勢、口や目、眉の細かな動きによって、正反対な性格の役を演じ分けたと言える。

 『コタローは1人暮らし』の冒頭で、コタローに「親はどうした?」と聞いてみるものの、瞬時に何かを察した様子だった狩野が、銭湯帰りに幼い頃に両親をなくしたとコタローに打ち明けたシーン。歩きながらの会話だったが、狩野がこれまでの人生で抱えてきた寂しさ、それでもなんとかやらねばという気丈さ、自分なりに折り合いをつけた心情が伝わってきた。子どもを前にしても対等に会話をする狩野だが、きっと素の横山も同じように接したのではないだろうか。芝居でありながら素の人柄が隠しきれないようなシーンだった。

 さて、最終話では、コタローの父から息子の居場所を探すよう探偵・青田学(間宮祥太朗)のもとに依頼があったという。色んな問題を抱えるも優しい大人たちとコタローの関係はどうなるのだろうか。最後まで見届けたい。

■柚月裕実
Web編集者/ライター。企画、担当編集、取材・執筆してます。
日本の男性アイドルの頑張りを見ては涙する30代。
始まりはSMAP中居さん。 KAT-TUN、NEWS中心の事務所担。年中HDDの整理と原稿書きに追われています。

■放送情報
『コタローは1人暮らし』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:30~0:00放送
出演:横山裕、川原瑛都、山本舞香、西畑大吾(なにわ男子/関西ジャニーズJr.)、百田夏菜子(ももいろクローバーZ)、生瀬勝久、光石研、峯村リエ、大倉孝二、イッセー尾形、出口夏希
原作:津村マミ『コタローは1人暮らし』(小学館)(『ビッグコミックスペリオール』で連載中)
脚本:衛藤凛
音楽:篠田大介
ゼネラルプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)
プロデューサー:都築歩(テレビ朝日)、尾花典子(ジェイ・ストーム)、松野千鶴子(アズバーズ)、岡美鶴(アズバーズ)
監督:松本佳奈 ほか
制作協力:アズバーズ
制作著作:テレビ朝日、ジェイ・ストーム
(c)津村マミ/小学館(『ビッグコミックスペリオール』連載中) (c)テレビ朝日

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