そして、第3回のラストは衝撃の展開が待ち受けていた。「紫先生」に会いに和歌教室を訪れた沙織。ついに直接対決の修羅場になるか……と思いきや、そこに現れたのは現代に次元ジャンプしてきた紫の上ではなく、紫先生（壇蜜）であった。もう一人の「紫」と言えば、『源氏物語』の作者で歌人の紫式部（という設定なのであろう）。フィリップ（厚切りジェイソン）が言うには、現代と『源氏物語』で同じ人が存在してもおかしくはないという話であったが、まさかそっちの「紫」だったとは。

　プロポーズをしてきた一条に「好きな人がいる」と光への思いを告げた沙織。紫の上も紫先生であったのだから、あとは光と沙織が素直な思いを確かめ合うだけなのだが、それが2人にとっては最も難しい。

　「文しか勝たん！」と文のごり押しだった第3回だが、次回予告では沙織に「文とか歌とか言ってる場合じゃないんじゃないかな」と先手を打たれてしまっている。そして沙織の「光くんを元に戻せるってことですよね？」というセリフから察するに、このまま現代に居続けるか、平安時代に戻るかの選択が迫られるのではないか。そのキーマンにいるのが紫先生。果たして、光と沙織は互いに「好き」という思いを伝えられるのか。最終回は「利亜鯛」必須である。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター／編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
よるドラ『いいね！光源氏くん し～ずん2』
NHK総合にて、6月7日（月）放送スタート（全4回）
出演：千葉雄大、伊藤沙莉、桐山漣、入山杏奈、神尾楓珠、小手伸也ほか
原作：えすとえむ
脚本：あべ美佳
音楽：小畑貴裕
演出：小中和哉、田中諭
制作統括：樋口俊一（NHK）、竹内敬明（テイク・ファイブ）、管原浩（NHK）
写真提供＝NHK