金子大地×石川瑠華が考える自分と相手 『猿楽町で会いましょう』はどの世代も共感できる?

 渋谷・猿楽町を舞台に、男女の夢と欲望が交錯するラブストーリー『猿楽町で会いましょう』が現在公開中だ。

 第2回「未完成映画予告編大賞MI-CAN」グランプリ受賞作を映画化した本作は、児山隆監督の長編デビュー映画。鳴かず飛ばずのフォトグラファー・小山田役を金子大地、読者モデルのユカ役を石川瑠華がW主演で演じる。

 金子と石川に、初共演となった互いの印象や、劇中の小山田やユカのように、人との関係を築く上で、考えていることについて語ってくれた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

予告編から作られた映画本編

ーー金子さんはグランプリを受賞した予告編を最初に見て、今回のオファーを受けたのでしょうか?

金子大地(以下、金子):監督に面談していただいて、出演に至りました。初めて見た時すごく引き込まれて、気になる予告だったのを覚えています。なかでもやっぱり石川さんが目を引いていて、素晴らしい表情をされていたので、長編を作るとなったときに是非出たいと思いました。

ーー石川さんは予告編から出演されていますね。

石川瑠華(以下、石川):私は予告編のお話をいただいたときが、演技をはじめてまだ1年くらいの頃で、まだふわふわしている状態でした。児山監督の長年映画を撮りたかった思いを聞いたときにとても圧倒されたのを覚えています。だから、「この人のために映画を、予告編を作る!」くらいの気持ちで出ましたし、グランプリを獲ったときはすごく嬉しくて。監督にいち早く連絡したんですけど、そしたら結果を見ていなくて(笑)。私は発表の12時まで待っていて「グランプリ獲った! 監督が映画撮れる!」と思って連絡したら、「そうですか。マジですか?」とマイペースな感じだったので、そのテンションの差にびっくりしました(笑)。

ーー予告編のときは、映画本編の脚本はあったんですか?

石川:ないです。テーマとどんな話かというのは教えていただいて、断片的なシーンとセリフがあって、それを撮っていきました。予告編のときのユカは、人を翻弄して操って、その先に嘘か本当か分からなくなって、苦しめられる女の子だと思ってたんですけど、本編の台本をいただいたときに、全く違うように見えて。予告編と長編だと、また違った作品の雰囲気を感じました。

ーー金子さんはその予告編のあとに、本編の台本を読んだとき、どのように感じましたか?

金子:すごく生々しく描かれているところもあって、こういうラブストーリーって東京で実際にあるんだろうなと感じました。どんな世代でも共感できる作品なのかなと思いました。

ーー公式SNSで発信している「100の告白」の企画で、金子さんが石川さんのことを「ユカのまんまで、何を考えてるか分からない」とおっしゃっていましたね。

石川:おもしろかったです。

金子:すみませんでした(笑)。ユカのまんまはちょっと語弊があるんですが、石川さんの魅力ってミステリアスだったり、余白があるところかなと思っていて。なので、ユカという役は石川さんにしか演じられないと思いましたし、今までに出会ったことのない女優さんだなと思います。

ーー「何を考えてるか分からない」って言われるのはどうなんですか?

石川:全然嬉しいですよ。何も考えてないときもありますけどね。

金子:何も考えてないんだろうなと思いながらも、何か考えてそうだから。

石川:私は金子さんが逆に分からないです。何考えてるんだろうなって。

金子:何にも考えてない。

石川:じゃあ、同じなんだ。

金子:僕は分かりやすいと思うんだけどな(笑)。でも嬉しいです(笑)。

ーー石川さんは金子さんをどんな人だと思いましたか?

石川:金子くんは、演技を通して分かったことが多いです。どんな人か……いっぱいありますが、意外に単純とか。

金子:はい(笑)。

石川:楽しいシーンとかを撮って「楽しかったね」って言えちゃうみたいな。

金子:言えないの?

石川:だって、相手も楽しいか分からないじゃないですか。

金子:周りの人のことすごく気にしてるんだね!

石川:たしかに! 私は楽しかったって思うけど、相手にも楽しめとか、そう感じさせちゃうかなとか……そうですね、意識してますね(笑)。

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