吉沢亮、“覚醒”の瞬間を表現した眼差し 『青天を衝け』栄一×慶喜の節目の回に

吉沢亮、“覚醒”の瞬間を表現した眼差し

 大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合)第18回「一橋の懐」では、栄一(吉沢亮)が慶喜(草なぎ剛)に認められ躍進する。その手には算盤を持ち、一橋家の懐具合を整えるために動き出すのだった。

 きっかけにあるのは、武田耕雲斎(津田寛治)や藤田小四郎(藤原季節)ら天狗党の多くが首をはねられたこと。それは天狗党がいずれ一橋家に取り込まれれば、幕府を潰す火種になるかもしれないという理由からの斬首であるが、栄一の言う「武士とて金は入り用」。すなわち、天狗党は忠義だけを尊び懐をととのえることを怠った故の顛末だと慶喜に提言する。

 歩兵取立御用掛となり、一橋領のある備中にて新たな兵を招集してきた栄一。兵を賄う金を稼ぐべく利を得る方法として、「米の入札払い」「播磨の木綿」「備中の硝石」と3つの提案をする栄一からは、血洗島を飛び出し一人で藍の葉を調達に出かけた百姓としての姿が思い出される。

「今改めて、この壊れかけた日の本を再びまとめ、お守りいただけるのは殿しかおらぬと。そのためにこの一橋のお家をもっと強くしたい。懐を豊かにし、その土台を頑丈にする。そのような御用こそ己の長所でございます」

 一橋に腰掛けのつもりで仕官していたことを正直に伝え、その上で勘定方が自分には合っていると自信たっぷりに算盤を弾き出す。最近は栄一が慶喜に無礼をしてはその度に、猪飼(遠山俊也)が一喝をする終わりの見えないループに入っているが、もはや何を言いだしても慶喜は栄一を怒りはしないだろう。栄一の自分の考えを忖度なくきっちり言える性格は、今は亡き円四郎(堤真一)によく似ている。「ハハハハハ」と慶喜が笑い出すのは、円四郎が亡くなってからは初めてだ。

「円四郎め、まことに不思議な者を押し付けおった」
「渋沢よ、ならばやってみよ。そこまで申したのだ。おぬしの腕を見せてみよ」

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