『探偵☆星鴨』の有岡大貴に癒される 『コード・ブルー』でも見せてきた確かな演技力
毎週月曜深夜24時59分から放送されているドラマ『探偵☆星鴨』(日本テレビ)が、新感覚だ。シンドラ枠第15弾の同作は、Hey! Say! JUMP・有岡大貴主演のコメディ・ミステリー。有岡演じる主人公・星鴨(ほしかも)はハードボイルドな探偵に憧れ、大手探偵事務所を辞めて独立。祖母から受け継いだリサイクルショップを経営しつつその一角に探偵事務所を構え、「見えた! 輝く一番星!」を決め台詞に閃きと推理で事件を解決していく。
はじめこそ1人で探偵事務所を切り盛りしていた星だが、距離は30cm以上、3秒以上目を合わせられないなど女性とのコミュニケーションがからっきしダメ。女性の依頼人が来てもまともに対応できないほどだ。そんな星を見かねて(?)、ストーカー被害の依頼人だった唐戸つぐみ(片山友希)が探偵助手として事務所に加わることに。そんな2人がタッグを組んで、ドタバタしながらも様々な依頼を解決している。
同作の公式サイトを見ると、「探偵ドラマ史上最も『頭をユルめる』コメディ・ミステリー」という言葉が書かれている。確かに、昨今のミステリードラマは巧妙なトリックや登場人物の心理が入り混じっており、真剣に楽しもうとするとパワーがかかる。だが、同作は話が非常にシンプルなため頭を空っぽにして見ることができるドラマだ。星と唐戸の漫才のような掛け合いもクスッと笑えて、肩の力が抜けてくる。もちろん脚本を手がけるヨーロッパ企画の力もあるが、この独特の温度感が出せているのは有岡の緩い演技も大きく関係しているはずだ。
有岡はジャニーズ事務所に入所する前から、子役としての活動歴があり、演技力には定評がある。例えば、2017年、2018年には、ドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-THE THIRD SEASON』(フジテレビ系)に出演。名医と名高い「名取総合病院」院長兼経営者の一人息子であるフライトドクター候補生・名取楓馬を好演した。医療に対する熱意がない、“ボンボン息子”っぷりが見事に表れていたのではないだろうか。冷淡な名取が徐々に熱意を持ち始める様も、手に取るように伝わってきた。特に第8話で見せた号泣シーンが、放送当時話題を呼んでいたことを覚えている。シリアスな演技も多く求められる、常に命に向き合う救命救急医を通して、有岡が演技力を見せつけた印象だった。