櫻井翔、有岡大貴に濱田崇裕も ジャニーズ俳優の“ちょっぴり冴えない主人公”に沸く親近感

 日本テレビ4月期シンドラ『探偵☆星鴨』では、女性と目を合わせられるのが3秒が限界。異性とのコミュニケーションが苦手な星鴨をHey! Say! JUMPの有岡大貴が演じている。また、日曜夜放送の『ネメシス』(日本テレビ系)では、櫻井翔が自称天才のポンコツ探偵の風真尚希役と、このところ頼りない主人公を演じる傾向がみられる。本稿では過去作品に触れながら、ちょっぴり冴えない主人公化現象を追ってみたい。

 遡ること、2014年公開の映画『銀の匙 Silver Spoon』で主演を務めたSexy Zoneの中島健人。物語は北海道の農業高校の酪農科を舞台に、主人公のハチケンこと八軒勇吾を演じた。撮影にあたっては、吉田恵輔監督からキラキラ禁止令が出されていたと会見で明かしていたが、その言葉どおり、劇中ではメガネをかけて猫背ぎみ、見るからに頼りない中島の姿があった。

 中間一貫校の進学校に通うも競争に敗れ、その上家族ともギクシャク、おまけに夢もない……若くして挫折を味わったハチケンのこれまでの人生、心境が伝わってきた。中島は王道の王子様キャラとして親しまれ、KinKi Kidsの堂本光一も一目置くほど。キラキラを封印して挑んだハチケン、よほど役作りに集中したであろう様子が伝わってきた。

 コミュ障で人間嫌いのマッサージ師に扮したのはKAT-TUNの中丸雄一。2017年放送のドラマ『マッサージ探偵ジョー』(テレビ東京系)で、主人公のジョーこと矢吹原丈を演じた。ちょっと不思議なマッサージ店「ほぐす堂」を舞台に、中丸演じる出張マッサージに出かけた先々で事件に遭遇する。特殊な能力の持ち主であるジョーは、容疑者へのマッサージを通して身体情報を読み取り、「事件の謎がほぐれました!」と事件を紐解く。

 人と目を合わせることもままならないジョーだが、気合を入れるとキリっと表情を変え、まるで別人のように敏腕マッサージ師へと変身する。人とのコミュニケーションは苦手だが持ち前の鋭い観察眼を武器に、マッサージ探偵へと成長していく。コミカルに描かれているのだが、誰しも一つは持っている特技を武器に一点突破する様子が何とも痛快だった。

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