『リコカツ』紘一の“彼女ファースト”の考えに感動 高橋光臣参戦で物語はさらに加速?
「私たちは今、雨宿りしてるんじゃない? 雨が止んだら別々に歩き出す。今は少しの間だけ同じ場所で雨宿りをしている、私と紘一さんはそういう関係なんじゃないかな」――離婚に向けた活動(離婚活動)がテーマの『リコカツ』(TBS系)第3話では、緒原紘一(永山瑛太)と水口咲(北川景子)の“偽装新婚旅行”が描かれる。離婚届を置いて出て行った紘一の母・薫(宮崎美子)の居場所を突き止めた2人は箱根の旅館に向かう。
薫が離婚を決意した理由は特に“働くこと”と“家庭に入ること”の両立が難しかった母親世代以上には身に覚えがある女性が少なくないのではないだろうか。“緒原さんの奥さん”でも“紘一くんのお母さん”でもなく“薫さん”と自分の名前で呼ばれることが嬉しい……どうやったって男性にはなかなかピンと来ない感情だろう(2011年に放送されていた“ママ友バトル”が題材の『名前をなくした女神』<フジテレビ系>でも、その類の悩みが描かれていた)。
咲が言った通り、“妻であり母である人生も幸せだったけど、他にも自分の人生があったかもしれない”と矛盾する気持ちを内包することは誰しもに経験があることだろう。離婚のために来た旅行なのに内心とてもワクワクしている2人のように。紘一の異様なまでの早起き事情も、紘一が咲と結婚した理由も“肝心なこと”こそ本人の口から直接知るのではなく、他愛もない周囲との会話から聞かされ、自分が想っていたよりも随分相手に大事にされていることを間接的に知る皮肉のように。実家から通った方が基地にも近いが咲の希望を叶えて都心に住んでいるのと、何より自分の不在時に咲の身に何かあった時に彼女の実家に近い方が安心という“彼女ファースト”な考えが紘一にあったことを初めて知らされる。さらに、咲と結婚したのも、まるでSMAPの名曲「らいおんハート」の歌詞を地で行っており、「咲と出会うためにこの仕事をしていたと思った」なんて、そんなこと言われて心が動かない女性はいないだろう。
この展開には、いつものお決まりの台詞の逆パターンが見られ、「なんで離婚するのに、励ましてくれるんだ?」という紘一に、咲が「まだあなたの妻だから」と答えていた。