『ラブ・セカンド・サイト』が共感できる理由 オリヴィア役ジョセフィーヌ・ジャピに聞く

 映画『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』が5月7日に公開される。『あしたは最高のはじまり』のユーゴ・ジェラン監督と『エール!』の製作陣が再タッグを組んだ本作は、若くして結婚したジェラン監督が、自身の結婚生活を見直すことで生まれた、オリジナルのラブストーリーだ。

 高校時代、一目惚れから結婚したラファエルとオリヴィアだが、人気SF作家として多忙な日々を送るラファエルと、小さなピアノ教室を開くオリヴィアの夫婦生活はすれ違いが続いていた。2人が大喧嘩をした翌朝、見覚えのない部屋で目覚めたラファエル。そこは、自分はしがない中学教師で、オリヴィアは人気ピアニストとして活躍する、立場が逆転した“もう一つの世界”だった。そして、その世界のオリヴィアはラファエルを知らなかった。

 ファンタジックなラブストーリーが展開する本作。今回、リアルサウンド映画部では、オリヴィア役を務めたジョセフィーヌ・ジャピにインタビュー。ロマンティックコメディに出演するのは初めてと語るジャピに、オリヴィアの役作りについて話を聞いた。

「キャラクターがすごく生きている」

ーー本作のジャピ役は、オーディションで勝ち取ったそうですね。

ジョセフィーヌ・ジャピ(以下、ジャピ):オーディションというより、まず一度ユーゴ・ジェラン監督と会って、その後一緒にランチをしたんです。今思えば、それがオーディションだったのかもしれません。ジェラン監督は、この映画の着想になった話や、参考にした映画の話をしてくれて、とても熱心に想いを語ってくれました。その時の話ぶりから、「ひょっとすると役をもらえたかも」と思ったんですが、めでたく役をもらえて本当に嬉しかったです。

ーーラブストーリーでありながらファンタジックな要素も入った物語ですよね。脚本を読んでどんな感想を持ちましたか?

ジャピ:奇想天外なおとぎ話に思えるけど、すごく共感できるラブストーリーだと思いました。というのも、キャラクターがすごく生きているんです。キャラクターそれぞれの感情が複雑に絡み合っていて、すごくリアリティをもって迫ってくるので、きちんと共感できるんです。

ーーラファエルとの関係性は、すごくリアリティを感じさせます。片方だけ成功しているけど、もう一つの世界ではそれが逆転していて。

ジャピ:人生の中にはアップダウンがありますし、カップルであまりバランスが取れていないことも、長い人生の中ではよくあることだと思います。私が考えているのは、カップルで一緒に生きていく上では、片方が成功したのは片方だけの功績じゃないということです。必ずその成功の影には、もう1人の支えがあり、助けがあり、2人がシェアして作り上げたものだということです。この映画でも、そういったビジョンがきちんと描かれていますよね。

ーー自分は観ていて、フェリックスを演じたバンジャマン・ラベルネさんの道化っぷりが非常に面白かったです。彼は『セラヴィ!』などでもコメディ役者として、存在感を放っていますが、実際に共演してみていかがでしたか?

ジャピ:彼は天才的な喜劇役者ですごく尊敬しています。今回はロマンティックコメディですけど、彼はこの作品においてコメディの部分、リズム感や、はつらつとした部分を大きく担ってくれたと感じています。特に、ラファエル、フェリックス、オリヴィアの婚約者の4人でのディナーシーンは、撮影中笑いが止められなかったシーンでもあります。どんなに真面目な顔をしようとしても本当におかしくて、笑いを抑えるのが大変でした。バンジャマンの演技は本当に自然なんです。自然体なのにファンタジックなものをもたらしてくれる。彼の仕事ぶりすごく尊敬していますし、私含めスタッフ全員、撮影中は大笑いさせてもらいました。

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