MCU『スパイダーマン』最新作出演のA・モリーナ 映画の世界観を語るも割とネタバレ?

 マーベル・シネマティック・ユニバース(以下、MCU)作品『Spider-Man: No Way Home(原題)』にかねてから出演の噂があったアルフレッド・モリーナが、それを肯定するに止まらず、『スパイダーマン』シリーズ復帰への意気込みや撮影についてなどを詳しく米メディアVarietyにて語っている。『スパイダーマン』といえば、主演のトム・ホランドがMCUきってのネタバレ王子と揶揄されているが、どうやら本作ではドクター・オクトパスの方が話しすぎてしまったようだ。モリーナが出演している『プロミシング・ヤング・ウーマン』でのプロモーションインタビュー時に『スパイダーマン』のことを聞かれて、「撮影中は一切口外してはいけない約束でした、なぜなら作品にとって一番目玉の秘密ですからね。でも、もう既にインターネット中にこのことが広まっている。実は私はハリウッドで最も秘密を守るのが下手な男なんですよ」

 アルフレッド・モリーナ演じるドクター・オクトパスことオットー・ギュンター・オクタビアスが登場したのは『スパイダーマン2』(2004年)である。サム・ライミ版第2作としての本作は、トビー・マグワイア演じるピーター・パーカーが一度はスパイダーマンとしての道を諦めるという挫折を描いた、シリーズの中でも屈指の人気作。モリーナのドクター・オクトパスも人気の高いヴィランであるが、もともとは迷えるパーカー青年の才能を見込み、メンターのような立場にいた偉大な科学者だった。愛妻家でもあり、パーカーはその点も含め彼のことを尊敬していたのだが、オズコープ社の核融合プロジェクトにおける事故により、開発していたアームの人口知能に思考を支配され、悪者になってしまったのである。

 そんな彼が再び登場する『Spider-Man: No Way Home』はすでにマルチユニバースとなることがほぼ確定しており、ドクター・オクトパスの他にも『アメイジング・スパイダーマン2』でヴィラン・エレクトロを演じたジェイミー・フォックスが出演予定となっている。モリーナは撮影に関して「最高でした。17年ぶりに同じ役を演じることは非常に興味深かったですよ。なにせその間、私の顎は二重顎になるし、体もたるんだし、目尻にはシワもできて、腰も悪くしていますからね」と、再演する上で“すっかり変わってしまった”自身について語った。

 それに、彼のドック・オック復活の懸念は老化だけではない。なぜなら自分の役は一度“死んでいる”からだ。『スパイダーマン2』のラスト、パーカーのおかげで良心を取り戻したオクトパスは自己犠牲を払って核融合施設の爆発を防いだ。一度死んだキャラだし、おじさん化したし、一体どうするのとモリーナが本作でも再び監督を務めるジョン・ワッツに聞くと、彼に「このユニバースでは、だれも“本当には”死なない」と話されたと言う。さらに、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のドック・オックは“川での場面”からの彼を登場させることを話されたと言う。えっ、それってかなりのネタバレになるのでは?

 加えて、先程の自分の見た目の変化に関しては「我々のロバート・ダウニー・Jr.やサミュエル・L・ジャクソンに対する仕事っぷりを見ていないのか?」と、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』や『キャプテン・マーベル』でCG技術によって両者を若返らせたことをジョン・ワッツ監督がモリーナを安心させるように伝えたと言う。

『キャプテン・マーベル』スポット映像

 しかし見た目がどれだけ若返っても、動きまで若返らせることはできない。そういった技術の存在は認知しながらも「例えば『アイリッシュマン』でロバート・デ・ニーロがすごく若返って見えたのに、彼の喧嘩するシーンではやっぱり動きが加齢を感じさせて。歳取っている! と思ってしまったんです。私にだって、17年前と同じ身体能力はない」と考えたモリーナ。しかし、自分でそのあと思い出したそうだ。「いや、私のそういうアクションの動きは全部触手(アーム)がやってくれていたじゃないか! って(笑)」

「なので私が基本的にドック・オックを演じる上でやったことといえば、相手を睨んで唸り声を出したこと。その間、アームが誰かを傷つけたり何かを破壊したりしてくれているから。私は意地悪い顔になっていればよかったです。最高でしたよ」

 撮影に関するチャーミングなコメントだが、やはりモリーナは多くを話しすぎているように感じる。『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』のラストにデイリー・ビューグルの編集長J・ジョナ・ジェイムソンが登場した時から、我々はすでにマルチバースを予感し、ライミ版キャストの復活だって予想できた。しかし、まさかキャスト本人がここまで赤裸々に語ってくれたとなると、トム・ホランドが“うっかり”『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のポスターを公開してしまった時のことを思い出す。つい喋っちゃった風を装って、実はこれ以上にドック・オックには何かあるのかもしれない。

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(c)2019 CTMG.(c)&TM 2019 MARVEL.

 何より『Spider-Man: No Way Home』は、全世界に正体が暴かれたと同時に、ミステリオを殺害した悪党だという風評被害まで被ったピーターのその後の物語である。『ファー・フロム・ホーム』でもヒーロー挫折という『スパイダーマン2』に似たプロットを歩んでいたように思うが、ようやく恩師のアイアンマンのいなくなった世界で立ち上がった矢先のこの状況、高校生のパーカー少年は再び自分を疑い、迷ってしまうのではないだろうか。そんな時に、他の次元でパーカーのメンター的な役割を果たしていたドクター・オクトパスがどのように彼と関わってくるのか。先述の“川でのシーン”の後の彼を描くということは、つまり自己犠牲を払って川に自らと共に核を沈めた後の“良い”ドック・オックとして登場するのだろうか。原作ではスパイダーマンと最も長く戦ったヴィランという立場もあり、作品の中でキーとなってくるが考えられる。『Spider-Man: No Way Home』は2021年クリスマス全米公開予定。

■アナイス(ANAIS)
映画ライター。幼少期はQueenを聞きながら化石掘りをして過ごした、恐竜とポップカルチャーをこよなく愛するナードなミックス。レビューやコラム、インタビュー記事を執筆する。サム・ライミ版『ドクター・ストレンジ』も楽しみ。InstagramTwitter

■公開情報
『Spider-Man: No Way Home(原題)』
クリスマス全米公開
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