綾瀬はるか主演ドラマが愛される理由 『天国と地獄』森下佳子とのタッグはハズレなし?

 綾瀬はるかが主演、高橋一生が共演する日曜劇場『天国と地獄 ~サイコな2人~』(TBS系)がとにかく好評だ。先日の第9話視聴率は番組2位の世帯16.5%を記録し(ビデオリサーチ調べ、関東地区)、最終回は大きな盛り上がりが予想される。その人気の要因の一つは、やはり綾瀬のヒロインとしての魅力だろう。『天国と地獄』の脚本を務める森下佳子と綾瀬は、『世界の中心で、愛をさけぶ』(TBS系)や『義母と娘のブルース』(TBS系)など、これまで多くのドラマで数多くのヒット作を生み出してきた。森下とのタッグ作のみならず、『ホタルノヒカリ』(日本テレビ系)、『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)は映画化もされるなど、ことごとく外れがない綾瀬の主演ドラマはなぜここまで愛されるのだろうか。

 2001年に『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)で女優としてのキャリアをスタートさせ、今年で女優デビュー20周年を迎えた綾瀬はるか。普段は飾らず、天然な一面を見せながらも、演技となるとストイックに役を追求し、見事に体現するギャップが、彼女の魅力だろう。それを引き出したのは、名作を生み続けてきた脚本家・森下佳子といっても過言ではないだろう。森下が、綾瀬の個性を生かしつつ、毎回課題を課すかのように新しい役を次々と与え、綾瀬もそれに応え、新たな魅力が引き出されていく。だからこそ綾瀬の演じる役は常に新鮮で視聴者を飽きさせない。

 2004年のドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』に始まり、2006年の『白夜行』(TBS系)では、正反対とも言えるような母を手にかけたダークなヒロイン。2009年の『JIN-仁-』(TBS系)では、情熱的で真っ直ぐな脳外科医・南方仁(大沢たかお)を笑顔で背中を押していく橘咲を熱演。2018年の『義母と娘のブルース』は、女手一つで再婚相手の義理の娘・みゆきを育てていく物語で、どこかとぼけたところもある無表情なキャラクター……と実に多様なキャラクターをこれまでも演じてきた。

 森下とのタッグでの綾瀬は、自分の生き方を曲げない強さと優しさを併せ持ったヒロインが多い。そうしたどこか漫画のようなヒロインを多く演じてきたからこそ、森下作品ではない2007年の『ホタルノヒカリ』では、20代で恋愛を半ば放棄し、家ではジャージ姿でぐうたらに過ごす“干物女”という、等身大の女性を演じることで親近感が湧いたし、2017年の『奥様は、取り扱い注意』では、これまでのイメージにないアクションシーンのギャップに驚かされた。森下作品とそうでない作品がどこか相乗効果を生んでいるように感じる。