『青のSP』藤原竜也演じる隆平がブラックな職場環境を斬る 『逃げ恥』に通じる搾取の構造

 『青のSP(スクールポリス)―学校内警察・嶋田隆平―』(カンテレ・フジテレビ系)第6話は先生方が主人公。副担任の新津(須賀健太)は気が弱く、先輩教員から仕事を押し付けられていた。採点や事務を片付け、教材研究をしようとすると、学年主任の荒井(たくませいこ)や古賀(兒玉宣勝)が自分の仕事を投げてくる。「仕事の無限ループ」にはまって気付くと外は真っ暗。同級生の柴田(泉澤祐希)に「断るより引き取る方が楽なタイプ」と言われる新津にとって、学校は限りなくブラックな職場だった。

 教師の職場環境が問題になって久しい。学級崩壊、モンスターペアレンツ、情報漏洩、アカハラ、部活動の負担など、教育現場で起きる問題はすべて先生たちにとって職場の問題である。改善が叫ばれる割に、これらの問題がなくなったという話は聞こえてこない。

 「やりがい搾取」というキーワードも出てくる。香里(明日海りお)が隆平(藤原竜也)に話していた言葉を柴田も口にする。自ら望んで教職についたにもかかわらず、いつの間にか働かされている状態になってしまうのだ。理想と現実の乖離や、休みが取れないなど構造的な問題もあるが、もっと根本的なところに原因があると『青のSP』は指摘する。

 搾取といえば、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)で有名になった「好きの搾取」もある。相手が好意を寄せているからといって惜しみなく奪ってしまえば、その関係はヘルシーとは言えない。バランスが崩れると支配や共依存にもなる。

 やりがい搾取も同じだ。ルールが不確かな恋愛と違って、教育の場合、モラルや規範で縛られているだけに、搾取のありようも、正義の名のもとに自身を縛るような硬直したものになりがちだ。新津の場合、生真面目でノーと言えない性格なので、ますます自分を追い込んでしまう。悪いことに情報漏洩も重なって、この上責められたら自暴自棄になるのも無理はない。

 隆平の解答はシンプルだ。「俺からしてみればどっちもどっち」。自身を傷つける新津も、追い込む教師たちも「異常」だと断定する。「あなたたちのその異常なまでの生徒のため精神が問題なんじゃないですか?」。頑張るだけならいいが、命まで懸けたら「もはややりがいの奴隷」だと斬って捨てる。目の覚めるような一言。相変わらず忖度一切なしだ。「奴隷の分際で、人間らしい生活がしたいなんておこがましいんだよ」は言いすぎだが。