『ゴジラvsコング』予告編を考察&過去作から勝者を予想 人間にとっての立ち位置が重要?
『キングコング対ゴジラ』では描かれなかった勝敗の結果がついに描かれる
実は何を隠そう、この両者はすでに一度1962年の東宝の作品『キングコング対ゴジラ』で対決をしているのだ。本作ではやはりゴジラの放射に押され気味だったものの、割と受けて平気そうなコングの姿が窺える。優勢だったゴジラにタックルを仕掛けて形勢逆転し、フルボッコにするも再びゴジラから止めどないしっぽ攻撃を受けたり。しかも同作内ではコングが電気に強いことが証明されており、なんとクライマックスの肉弾戦では雷の力を受けてパワーを増幅させている。完全に『キング・オブ・モンスターズ』で言うキングギドラのポジションだ。しかし取っ組み合いは続き、両者引くに引かず、最終的に勝敗は不明となった。2体が取っ組み合いの末に海に落っこちてしまい、ゴジラの行方が不明のままコングが浮上してそのままファロ島に帰るラストで終わったからだ。
しかし、『ゴジラvsコング』は監督のアダム・ウィンガードが勝者を決めることを前提にしていると公言している。それに加え、怪獣への感情移入も重要な要素となってくると明かしている。特にコングに関しては人間と心温まる瞬間があり、一方ゴジラはその優しさが表に現れることがないとまで言及されているのだ。そしてこの両者の戦いには今回、それぞれの巨大生物とコミュニケーションをとる少女たちの存在が重要になってきそうだ。コングを操ることのできる少女(ジア/カイリー・ホトル)、装置を使って巨大生物に呼びかけた少女(マディソン/ミリー・ボビー・ブラウン)が対立することはあるのだろうか。そうなってくるとますますアツい展開が期待されるが、ゴジラもコングも、どちらにも負けてほしくないのが本音である。
それでも、どちらかは負けなければならない。ゴジラは前作『キング・オブ・モンスターズ』で一度優勝をしてるから、そのまま連続で勝利を掴む展開はなんとなく考えにくい。というより、やはり観客がコングに情を沸いてしまいそうな描き方がされそうなので、アメリカはハリウッドの大作映画の王道である勧善懲悪的なストーリーに乗っ取ってコングが勝利を収めるのではないだろうか。個人的にはそう見せかけて、ゴジラがやはり僅差で王座を譲らず、一度こてんぱんに打ちのめされたコングが修行の末、再び次作でゴジラに挑戦するとう『ロッキー』のような泣ける展開が観たい。
■アナイス(ANAIS)
映画ライター。幼少期はQueenを聞きながら化石掘りをして過ごした、恐竜とポップカルチャーをこよなく愛するナードなミックス。レビューやコラム、インタビュー記事を執筆する。ゴジラとキングギドラが好き。Instagram/Twitter
■公開情報
『ゴジラvsコング』
5月14日(金)全国公開
出演:アレクサンダー・スカルスガルド、ミリー・ボビー・ブラウン、レベッカ・ホール、ブライアン・タイリー・ヘンリー、小栗旬、エイザ・ゴンザレス、ジュリアン・デニソン、カイル・チャンドラー、デミアン・ビチル
監督:アダム・ウィンガード
脚本:エリック・ピアソン マックス・ボレンスタイン
製作:レジェンダリーピクチャーズ ワーナーブラザース
配給:東宝
(c)2021WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.