奈緒が語る、『姉ちゃんの恋人』桃子&みゆきと重ねた親友への想い 「自分に戻れる存在」
恋、友情、家族愛をベースに、登場人物たちが抱える悲しみと向き合っていく姿を描く『姉ちゃんの恋人』(カンテレ・フジテレビ系)は、観た後にあったかい気持ちになれるドラマだ。今回、主人公の桃子(有村架純)の親友であり、弟の和輝(高橋海人)が想いを寄せる、みゆき役を演じる奈緒にインタビュー。友情、恋についての話や、2020年の東京郊外を舞台にした本作同様に、奈緒自身が考えたことについても話を聞いた。
親友は自分に戻れる、自分でいられる存在
――撮影をモニターで見ていたのですが、和気あいあいとしていて楽しそうですね。
奈緒:どの作品も初日はすごく緊張するんですが、クランクインが高橋さん演じる和輝とのシーンで、最初の撮影からものすごく現場の空気があったかくて。そのときからずっと今でも笑いの絶えない楽しい現場になっていると思います。
――コンビニ前で桃子とみゆきが語らう場面がとても好きなんですが、親友2人の関係性をどう考えながら演じていますか?
奈緒:現場に入る前は、桃子とみゆきは、幼い頃からお互いの苦楽を知っている仲なので、そのバックボーンを考えながら、あとは有村さんとの空気感で楽しいお芝居ができたらいいなと思ってました。実際に桃子と話すシーンを撮るときに、有村さんがいつも楽しいことは本気でケラケラ笑ってくれたり、悲しい話をするときも本当の友達のように、深く突っ込まないところは突っ込まないで、すごく寄り添って聞いてくれていて。台本を読んだ段階で考えていたことはあったんですけど、有村さんとの空気で作られている2人の関係だなと思っています。
――第6話は、みゆきが桃子に真人(林遣都)とのことを反対していたシーンが印象的でした。
奈緒:私はそのシーンが大好きで、2人の関係性がよく見える場面だなと思っています。2人の友情の中には確かな大きな愛があって、その愛ゆえに親や恋人のような気持ちを持っている2人だと思うんです。何が桃子にとって最善で一番幸せな選択になるのか。そして、私は今どうしたらいいのか。全てを含んだみゆきの立場になって「桃子にとにかく一番に幸せになってもらわないと嫌だ!」という気持ちで、「私は反対する、そんな奴やめとけ」という言葉を選んだんじゃないかなと思いました。本当は応援したい気持ちもぐっとこらえて、みゆきなりの、あの関係じゃないとなかなかできないエールを送っているなと思います。そういう2人の関係が羨ましいです。
――奈緒さんにとって、ご自身の友達はどんな存在ですか?
奈緒:東京に出てきている地元の親友によく会うんですが、自分が迷ったときに、厳しい言葉をかけてくれます。ちょっと今の自分大丈夫かな、間違ったことをしていないかなと思うときに、「今の奈緒、高校のときの奈緒のまんま?」ってよく聞くんです。「それは奈緒らしいと思う」とか、「それは私が知っている奈緒の選択じゃないかも」とか、「自分ってどうだったっけ?」というのを、相手の中に確かな私がいて、それを鏡のようにいつも見せてくれて。お互いに成長はしていきたいけど、変わりたくないものも2人の中にはあるから、自分に戻れる、自分でいられる存在です。
――ここ何話かのみゆきは、桃子の話を聞く一方で、なかなか自分のことは話せないでいます。奈緒さん自身は、話し役と聞き役でいうとどちらでしょう?
奈緒:桃子とみゆきの「今日どっちから話す?」のように、友達とは同じくらいで喋っていると思います。「今日は聞いてほしいことがある」と言われたらすっ飛んでいって、「今日は聞くぞ」って聞きますし、私が聞いてほしいことがあると「ちょっといい?」って連絡して、電話でも聞いてもらったり。みゆきが、ちょっと辛くて、いろいろ話したいんだけど、でも、今じゃない、今はまだ話したい気分じゃないから、話せるようになったら話す、というのはけっこう私もある方で、すごく分かるなぁと思いました。自分で一度考えて、答えがある程度出てきてから、友達に話すことが多いですね。