現代に形を変えて蘇る岡崎京子作品 『ジオラマボーイ・パノラマガール』の不思議な時間
時代設定を原作そのままに映像化した『リバーズ・エッジ』と違い、『ジオラマボーイ・パノラマガール』の舞台は現代。劇中にはハルコたちがオザケンの『ラブリー』のレコードを手に学校を歩き、歌うシーンがある。ハルコはタワマン、ケンイチは昔からあるような下町に立つ一軒家に住んでいたり、ほかにも現代の風景の中に、昔のカルチャーが入り混じりハイブリッドされて描かれていく。その不思議な時間が、ノスタルジーや心地よさ、楽しさも感じさせる。
「ロマンチックで浅はかで」「迂闊な運命の恋」を夢見るハルコと「好きな女の子さえいれば、世界がどうなっても知ったこっちゃあない」と夢中になっていくケンイチ。2人を追いかけながら目に入るのは、どの風景も夢の中にいるような、ワクワクを感じさせるものだ。吉祥寺を音楽で彩った『PARKS パークス』の瀬田なつき監督が、『ジオラマボーイ・パノラマガール』で東京を彩る。
■公開情報
『ジオラマボーイ・パノラマガール』
新宿ピカデリー、ホワイトシネクイントほかにて公開中
脚本・監督:瀬田なつき
出演:山田杏奈、鈴木仁、滝澤エリカ、若杉凩、平田空、持田唯颯、きいた、遊屋慎太郎、斉藤陽一郎、黒田大輔、成海璃子、森田望智、大塚寧々
原作:岡崎京子『ジオラマボーイ・パノラマガール』(マガジンハウス刊)
配給:イオンエンターテイメント
2020年/日本/105分/カラー/シネスコ/5.1chデジタル
(c)2020岡崎京子/「ジオラマボーイ・パノラマガール」製作委員会
公式サイト:gbpg2020-movie.com
公式Twitter:@gbpg2020_movie