『書類を男にしただけで』から見えてくる働く女性の実像 “男性”として奮闘する小芝風花に注目

 本作は、1話完結の短編ドラマであるから、物語はわかりやすくコミカルで誰にでもとっつきやすいということを意識して作られているというのも見える。

 しかし、そんな中でも、切実さを感じさせるのが、終盤で祐希が発するある台詞である。彼女の訴えは、祐希だけでなく、女性の実感がストレートにこもっていて心に響くものがあった。

 本作を企画したのは、入社5年目の女性プロデューサーだという。今後も、この作品を皮切りに、多くの女性たちによる実感のこもった、切実な作品が生まれることに期待したい。

■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。

■放送情報
『書類を男にしただけで』
TBS系にて、10月11日(日)14:00〜14:54放送(※一部地域をのぞく)
出演:小芝風花、竜星涼、水沢エレナ、奥野壮、高橋メアリージュン、デビット伊東、友近
脚本:飯野陽子
プロデュース:中西真央
演出:石井康晴
製作著作:TBS
(c)TBS
公式Twitter:https://twitter.com/yuki_minowa
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