『トロールズ ミュージック★パワー』が投げかける疑問 “多様性”を考える契機となる作品に?

 10月2日、日本でもついに『トロールズ ミュージック★パワー』が公開されました。アメリカでは新型コロナウイルス感染対策として劇場が閉鎖されていたため劇場公開はされず、初めて新作映画VODリリースになった作品です。 Amazon、Comcast、Appleをはじめとするプラットフォームで販売された本作はいずれも1位を獲得。オンデマンド配信初日の売り上げとしては、『ジュラシック・ワールド』を抜いて、歴代1位なのだそうです。ファミリームービーは作れば作るほどヒットするとは言われていますが、本作がそこまで求められた理由はどこにあるのでしょうか。 

コロナ禍だからこそ届けたかったテーマ

 『トロールズ ミュージック★パワー』のテーマは大きくわけて2つ。「多様性を認め合うこと」、そして「文化の盗用」です。 

 主人公のポピーは、ポップ村の女王。明るく元気で常にポジティブで楽しいことが大好きです。そんなポピーは、自分たちの住むポップ村だけでなく、外の世界があることを知り仲良くなりたいと冒険に出ていくのです。ポピーたちは、ルールや音楽テイストが異なる6つの村を訪れ、自分たちとは違うトロールたちがそれぞれのルールと個性を大切にしながら暮らしていることを学んでいきます。 そして、他のトロールたちと交流する中で、自分たちの大切にしているポップソングが他の音楽を追いやっている事実を知るのです。 

 「文化の盗用」は別として、「多様性」はハリウッドで最も人気の高いテーマのひとつ。最近は『ミーン・ガールズ』よろしく同類グループで集まる作品を探すことの方が難しいかもしれません。では、なぜ『トロールズ ミュージック★パワー』が求められたのか。もしかしたら、新型コロナウイルスが関係しているのかもしれません。 

 新型コロナウイルスが広まった頃、アメリカではアジア人に対するバッシングが広まりました。中国・武漢から始まったと言われている新型コロナウイルスは、瞬く間に世界中に広まりました。人の命をあやめる謎のウイルスを前に、人々は怯え、行き場のない怒りをアジア人にぶつけようとしました。嫌中感情が高まった理由のひとつには、兼ねてからの「文化の盗用」もあると言われており、音楽アプリ「TikTok」の禁止運動にもつながっていると言われています。 

 世界中が新型コロナで分断されつつある中、第1作のヒットも記憶に新しく、「多様性」や「認め合い」「受け入れる」といった非差別をテーマとした『ミュージック★パワー』が人々から強く求められていても何ら不思議ではありません。