野村周平と福士蒼汰、共演数の多い2人の対照的な姿 『DIVER-特殊潜入班-』で痛快バディに

 福士蒼汰演じる主人公の潜入捜査官・黒沢兵悟のダークヒーローぶりが話題の『DIVER-特殊潜入班-』(カンテレ・フジテレビ系)。第2話では「潜入捜査官チーム」、通称D班班長の伊達(安藤政信)によって危なっかしい動きをする兵悟の監視役としてとある刺客が送り込まれる。それが、新たな潜入捜査官・佐根村将(野村周平)だ。

 防衛大学を首席で卒業し、海上自衛官として着実にエリートコースを歩んでいた佐根村は、まさに兵悟とは正反対な存在。表面だけを見て「正しいことこそ全て」と真っ直ぐ信じられる、ある意味、幸福な境遇にずっと身を置いて来ただろう人物だ。

 何となくこの真逆の役どころを、実際のキャラクターとは反対の配役にしたのもまた憎い。これまでのイメージ通りにいけば、兵悟役をどこかやんちゃでワイルドな一面もある野村周平が演じ、好青年なキャラクターを演じることが多かった福士蒼汰が佐根村役でもおかしくなさそうなところだが、野村に関して思い返せば、今回のような配役は今に始まったことではない。

 福士と野村の共演作の映画『江ノ島プリズム』では、心臓に持病があり若くして亡くなってしまう男子高校生・朔を野村が演じる。また、同じ布陣でのドラマ『恋仲』(フジテレビ系)では、医者の卵・蒼井翔太として控えめで実直な役柄を好演した。いずれの作品も本田翼演じるヒロインをめぐる三角関係が描かれ、最終的には福士演じる男性側に軍配が上がった。

 相手の気持ちが自分の方には向いていないことに気付きつつ、また親友と自身の好意を寄せる相手が同じだと薄々知りながらも自分の気持ちを抑えられない、だけれども最終的には相手の気持ちを尊重することを選ぶ心優しく切ない役どころ。彼の代表作とも言える映画『ちはやふる』でもヒロインに片想いし、自分に分がないと知りつつも放っておけず、ずっと陰ながら支える健気な幼なじみ・真島太一役を演じた。『僕の初恋をキミに捧ぐ』(テレビ朝日系)でも小さな頃から心臓病で入院している逞役と、振り返ってみると片想いや失恋、病気など、自力ではどうしようもないことに見舞われ、だからこそ否応なしに自分自身の無力さと向き合わねばならない局面が多く、葛藤を抱え逡巡するとても切なく因果な難しい役柄ばかりである。ただ、見るからに貧弱な印象であれば何のギャップもなくキャラクターに奥行きを出すことはできない訳で、野村の持つ「男臭さ」「我慢強さ」「真っ直ぐなひたむきさ」があってこそ初めて成立するのだ。

 彼のすごいところは、悲しみや足掻きの先にある「虚無感」をも自然に魅せられるところだろう。そして、いずれの役柄も自身の体調や本音を前に嘘をついたりごまかしたりせざるを得ず、そんな時にこそ彼の真骨頂である「反発心」「反抗心」が見事に生かされるのだと思う(彼が持つ反骨精神がそのままダイレクトに反映されたのが映画『WALKING MAN』で演じた実在のラッパー役だろう)。

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