福士蒼汰が明かす、悪役の“自由度” 『DIVER-特殊潜入班-』で感じた芝居のありがたみ

福士蒼汰が明かす、悪役の“自由度”

 連続ドラマ『DIVER-特殊潜入班-』が毎週火曜21時よりカンテレ・フジテレビ系で現在放送中だ。

 本作は、『グランドジャンプ』(集英社)で連載されていた、大沢俊太郎の人気コミック『DIVER-組対潜入班-』をドラマ化するサスペンス。主人公の黒沢兵悟は、かつては警察も手を焼くほど巧妙な手口を考え出す犯罪者だったが、その異常なIQ・判断力・身体能力が認められ、極秘で結成された「潜入捜査チーム(通称“D班”)」の一員となる。その仕事は、悪の組織に潜入して情報や証拠をつかみとる、ともすれば命を落としかねない特殊捜査だ。

 D班のメンバーとしてさまざまな舞台に潜入する黒沢兵悟を演じるのは福士蒼汰。第1話では特殊詐欺を行う犯罪組織に、第2話では大学生にと、七変化を見せる。今回リアルサウンド映画部では、主演の福士にインタビューを行い、役柄への思いや撮影の風景などを語ってもらった。

悪役は「お芝居の自由度も広い」

ーー最初に話が来たとき、率直にどんな気持ちでしたか?

福士蒼汰(以下、福士):潜入班を舞台にしていて、いろいろなところに潜入し、いろんな顔を見せていくキャラクターなので、おもしろいと思いました。原作も読ませていただいたのですが、主人公が狂気的な人間で、善悪で判断できないような言動をしながら悪を成敗していく姿がすごく魅力的に映りました。

ーー第1話の前半は、まさに狂気を体現していました。こういったダークヒーローのような役柄を演じてみていかがでしょう?

福士:悪役はヒーローよりも演じやすさを感じました。例えばヒーローだと背負うものが大きく、正義ゆえの制約がたくさんあると思うんですけど、悪役だと何も飾らなくていいし、お芝居の自由度も広いかなと感じていて。そういう意味で演じやすいと感じます。

ーー自分の中で自由に考えながら演じられると。

福士:そうですね。ダークヒーローはアイデアがいろいろ思い浮かんできました。

ーー例えば、そういったアイデアは、他の作品を観たり外から取り入れたりすることはあるんでしょうか?

福士:今回だと、潜入捜査系の話や作品は観ました。潜入捜査とは直接関係ありませんが、『ジョーカー』や、大好きな『インファナル・アフェア』を観返してみたりしました。

ーー今回演じられる黒沢兵悟という人物とご自身に共通点を感じるところはありますか?

福士:合理主義者というところは似ているなと。目的を達成するために効率的な道を探す面は、似ていると思います。

ーー効率的な道を探すということは、オフのときもみっちりスケジュールを組んだりするんですか?

福士:組んだほうがいいときはそうします。でも組んでる時間がもったいないなと感じるときは、基本的には組まず、やりながら考えたりします。家で腕立て伏せをしながら、携帯を置いてYouTubeを見るとか。

ーーマルチタスクを常に意識されているんですね。

福士:そうですね。でも、自分にとってはマルチだと思っていなくて。種を増やしている感覚です。筋トレという種と情報という種があって、肉体的なものと視覚的なものでそれは全然別の能力な気がするから、同時に身につけることもできるかなと僕は思っていて。勉強系の動画を見てもそれを100%理解しようと思っているのではなく、10%、5%でもいいから脳の片隅に入れておいて、また同じようなことが起きたときに、見返したり新たに勉強し直したり。そういう意味では、種を自分の中に増やしておいて、気になったら脳みその引き出しから紐解いていき、アンテナを広げていく感じですね。

ーー今回の作品では、野村周平さんと5年ぶりの共演というのも1つのトピックだと思います。実際、撮影現場でどのようなお話をされましたか?

福士:本当に久々でした。プライベートでも会わなくて、5年前に撮影で会ったぶりだったので、懐かしかったですね。共演回数も今回で3回目だったので、やはり心強さがありました。

ーー化学反応みたいな?

福士:そうですね。

ーー野村さんはこの前まで海外に行かれていて、福士さんも英語が達者じゃないですか。そういうやりとりはありましたか?

福士:その話はしました。彼は1年弱ニューヨークに行っていたので「どうだった?」と。彼も、「学校に日本人もいたけど、日本人とは全く話さずに現地の人と英語だけでコミュニケーション取るようにしてたよ」と言っていて、そういう彼の気合も凄いなと思いました。

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