伊藤英明、なぜ仮面ライダーに? 劇場版から探るベテラン俳優ゲストの系譜

 令和最初の仮面ライダーとなる、テレビ特撮ドラマ『仮面ライダーゼロワン』(2019年/テレビ朝日系)が、8月30日に放送を終えた。2020年春に発生した新型コロナウイルスの影響で撮影が一時中断され、5月から6月にかけては過去のハイライトシーンを編集した特番を放送しながらも、“人工知能搭載の人型ロボットと人間の共存”という当初のテーマを貫徹しつつ幕を閉じた。その最終回に、特別出演として伊藤英明がゲスト出演したことが話題を集めている。

 伊藤英明は、仮面ライダーエデンに変身するエスという謎の人物を演じている。テレビシリーズ最終回ではドラマ終盤のワンシーンのみの出番だが、エスの本格的な活躍は12月18日公開の『劇場版 仮面ライダーゼロワン』に譲ることとなる。伊藤英明といえば、海上保安官たちの活躍を描いた映画『海猿』シリーズ(2004年から2012年まで4作/フジテレビ系)や、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』(2020年)など幅広い活躍で知られる俳優だが、そんな彼がなぜ仮面ライダーに出演?と思われる映画ファン、ドラマファンも多いだろう。

 『仮面ライダー』は平成時代から若手俳優の登竜門的な作品と言われ、これまでにオダギリジョー、佐藤健、菅田将暉、福士蒼汰、高杉真宙、竹内涼真など、現在テレビドラマやCM、映画で活躍中の売れっ子俳優を送り出している。もちろん撮影期間中はまだフレッシュな新人なのだが、そんな若き彼らが劇場用作品でぶつかることになる強敵に、芸能界でキャリアを積んだベテラン俳優を起用する伝統があるのだ。

 『劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!』(2007年)では、渡辺裕之が仮面ライダー牙王(ガオウ)役で出演。公開当時51歳だった渡辺のゲスト出演は「史上最高齢の仮面ライダー」という見出しで多くのニュース記事となった。だが、『劇場版 仮面ライダーウィザード IN MAGICLAND』(2013年)には、当時54歳の陣内孝則が仮面ライダーソーサラー役で出演し、渡辺の最高齢ライダーの記録を更新してしまった。

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