『MIU404』菅田将暉演じる久住は“神”になりたいのか 気になる最終回の展開は?

 既に4機捜の仲間である若きエリート・九重(岡田健史)は経歴を汚さないためにバッシングの対象となったチームから去り、その相棒だった陣馬(橋本じゅん)は刑事らしく足を使った捜査をしていたところ、久住の下で違法ドラッグを製造していた工場のトラックに撥ねられてしまった。陣馬は第7話でもうすぐ息子が結婚するという幸せな家庭のバックボーンを見せており、そういうハッピーな描写のあった人物が殉職してしまうというのは刑事ドラマの“お決まり”とはいえ、なんとか助かってほしいと願わずにはいられない。

 そして、久住はRECにデマを拡散させ、伊吹と志摩を警察の隠蔽工作を行う“悪い警察官”に仕立て上げた。SNSの「つぶったー」には、「#MIU404」というハッシュタグができ、無駄に目立つメロンパンカーに乗った2人は、世間から監視される対象に。メロンパンカーも使えなくなる。また、4機捜というチーム自体も、もともと臨時の応援部隊だけに存続が危なくなりそうだ。桔梗がマスコミにバッシングされ、陣馬が「4機捜はいつ解体されるかわからない」といかにも伏線めいたことを言っていたので、気になるところではある。

 最終回、注目のキャラクターは、機捜専属の解析チーム「スパイダー班」の糸巻(金井勇太)。出番は短いが、第1話から登場し、監視カメラやSNS投稿の分析をして伊吹たちを助けてきた。糸巻という名字にこだわりがあるらしく「俺はスパイダーだ」と伊吹たちに宣言する意気軒昂な場面も。元プログラマーだという久住とは、ハイレベルな“ネット対戦”をしている関係になる。誰かが久住の正体につながる証拠を見つけるとしたら、それは糸巻かもしれない。

 泣いても笑ってもあと1回。金曜ドラマ枠には珍しい刑事ドラマで、主人公たちの設定を機動捜査隊というあまり知られていないチームにし、第1話から「404 Not Found」というキーワードなど伏線を張り巡らせつつ複雑かつスピーディーに展開したこの作品が、とっつきやすくはない作りではあるのに、ここまでの熱狂を呼んだのは、スタッフ、キャストのクオリティ高い仕事ぶりがあってこそ。その情熱の行き着く先をしっかり見届けたい。

■小田慶子
ライター/編集。「週刊ザテレビジョン」などの編集部を経てフリーランスに。雑誌で日本のドラマ、映画を中心にインタビュー記事などを担当。映画のオフィシャルライターを務めることも。女性の生き方やジェンダーに関する記事も執筆。

■放送情報
金曜ドラマ『MIU404』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:綾野剛、星野源、岡田健史、橋本じゅん、黒川智花、渡邊圭祐、金井勇太、生瀬勝久、麻生久美子、黒川智花
脚本:野木亜紀子
演出:塚原あゆ子、竹村謙太郎、加藤尚樹
プロデュース:新井順子
音楽:得田真裕
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS

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