『SUITS/スーツ2』本格的に動き始めた“復讐編” 明らかになりつつある織田裕二の過去

『スーツ2』織田裕二の“過去の清算”

 先々週に放送された「特別編」では第1話と第2話を振り返る前に、甲斐(織田裕二)がファーム内で模擬裁判にかけられているシーンから幕を開けた。そこで争点になっていた“メモの隠蔽”とは何のことなのか、それにつながる“メモ”というアイテムがキーワードとなった8月3日放送の『SUITS/スーツ2』(フジテレビ系)第4話。先週の第3話こそ“復讐編”のプロローグとしてのニュアンスでファーム内の人間関係が整理されたわけだが、今回のエピソードから本格的に動き始めたといってもいいだろう。

 上杉(吉田鋼太郎)から大輔(中島裕翔)を貸してほしいと指示された蟹江(小手伸也)は、思わず自分の案件を手伝ってもらっていると嘘をついてしまい、その辻褄合わせのために甲斐に頼み込む。そんななか、甲斐のもとに因縁のある弁護士・富樫(高嶋政宏)から一枚の訴状が届く。数年前に甲斐が担当し勝訴した自動車会社の訴訟について、自動車会社側が重大な事実を隠蔽していたことを示すメモが見つかったというのだ。そして富樫は、その隠蔽工作に対し自動車会社側に損害賠償請求をすることに加え、隠蔽に加担した甲斐も訴えると宣言するのだ。

 甲斐にとってはまさに“寝耳に水”となったメモの存在。ピンチに陥った甲斐は、このことが上杉にバレないようにという幸村(鈴木保奈美)の指示に従い、玉井(中村アン)の手を借りてこっそりと事実確認を行っていく。もともと甲斐正午という弁護士の持ち味は、“勝利”を得るためならばどんな手段でも使うことに他ならない。けれども彼は「裁判で勝つために遺族を傷つけた。すべての真相を明かしたい」と悔いるのである。つまりこれは甲斐にとっての“過去の精算”というわけだ。このシーズン2では、それぞれのキャラクターの“過去”が大きなテーマとなっており、甲斐には上杉との関係性以外にも触れるべき過去が存在したというわけだ。

 結果的に、自動車会社の顧問弁護士から外された甲斐が社長を説得したことで、被害者遺族と自動車会社側は和解の方向へ。しかし、富樫は法廷で被害者遺族を侮辱した甲斐を徹底的に追及する構えを見せる。一連の流れを知った上杉は「身内で争ってる場合じゃない。団結してファームを守る」と協力を提案し、幸村もそれを受け入れる。過去に幸村を罵ったという上杉だが、これは彼なりの“過去の精算”なのか、それとも何か裏があるのか。そして玉井は過去に自分が受領した書類の中から、例のメモと同じものを見つける。1話完結ではなく全体のストーリーが連なっていくという今回のシーズン、毎週次の展開が待ち遠しくなること請け合いだ。

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