“権藤家の母”三田和代、胡散臭さが漂う古舘伊知郎も登場 再放送『エール』見どころ

胡散臭さが漂う!? 鶴亀寅吉(古舘伊知郎)

 第22回に登場する鶴亀は、関内家に身を寄せていた裕一を訪ねると、演奏会の開催を持ちかける。裕一と音を巻き込み、トントン拍子で演奏会の話は進んでいく。古舘は決して、実況を務めているときのように、まくしたてて話しているわけではないのだが、物腰柔らかだが決してペースを崩さない話し口により、裕一や音が彼の話に呑まれていくのが分かる。

 裕一と音の初共演が叶うのはこの演奏会のおかげなのだが、会場や曲目、売上や契約書類等、あまりにも用意周到なため、胡散臭さが拭えない。視聴者の間でも「古舘さんが怪しすぎる」「うさん臭さがお見事!」といった声が上がっていた。


 今週おすすめしたいシーンは、裕一が音に会うために関内家にやってくるシーン。気弱だが、好きな気持ちは曲げられないのが裕一の特徴。事前連絡もなしに関内家に押しかけた裕一の、ある意味肝の座った言動はコミカルで笑ってしまう。光子(薬師丸ひろ子)のように呆れかえる視聴者もいるかもしれないが、裕一と音のお互いを想う気持ちがひしひしと伝わってくる週でもある。

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

■放送情報
連続テレビ小説『エール』
2020年3月30日(月)〜9月26日(土)予定
※6月29日より第1回から再放送中
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、薬師丸ひろ子、菊池桃子、光石研、中村蒼、山崎育三郎、森山直太朗、佐久本宝、松井玲奈、森七菜、柴咲コウ、風間杜夫、唐沢寿明ほか
制作統括:土屋勝裕
プロデューサー:小西千栄子、小林泰子、土居美希
演出:吉田照幸、松園武大ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/

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